治験のスピードアップで日本に革命を起こす--国立がん研究センター理事長 嘉山孝正


──そうした条件にふさわしい大学病院の診療科は、誰がどのようにして認定するのですか。

厚労省は第三者評価委員会を作るという青写真を持っているが、それじゃダメだ、と私は怒った。各分野の学会に認定してもらったほうが公平だというのが私の考えだ。そうすることで、学会にもドラッグラグ問題で責任を果たしてもらいたい。

──国立がん研究センターの責任も重くなってきますね。

今まではステレオタイプの治験や標準的な治療ばかりやってきた。標準治療で対応できなくとなると、転院していただいていた。こんなことではダメだ。未承認や適応外の医薬品を使い、治療が困難な患者さんを積極的に受け入れていくという姿勢が重要。ほかの病院で治せなかった患者さんに手を差し伸べることが私たちの責務だ。治療成績は悪くてもいい。困難な患者さんを引き受けることにこそ、私たちの存在意義がある。そのために改革していく。

かやま・たかまさ
1950年2月生まれ。東北大学医学部卒業、脳神経外科入局。2003年山形大学医学部長。09年10月から厚生労働省・中央社会保険医療協議会委員。4月に国立がん研究センター理事長就任。


(聞き手:岡田広行 撮影:梅谷秀司 =週刊東洋経済2010年11月13日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。


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