授業が簡単すぎる「吹きこぼれ」を伸ばす本場米国の教育が日本へ ギフテッド教育、米・CTY学習プログラムの中身

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轟 麻衣子(とどろき・まいこ)
ポピンズホールディングス 代表取締役社長
日本の小学校を卒業後、12歳より英国に単身留学、ロンドン大学King's College卒業後に、INSEADにてMBAを取得。外資系金融、ラグジュアリー業界に勤務し、25年間の海外生活を経て2012年に帰国。母、中村紀子が1987年に創業した株式会社ポピンズに参画。20年ポピンズホールディングス代表取締役社長に就任し、全国326カ所の保育施設、ナニー・介護サービス事業を展開、20年12月SDGs-IPOとして東証1部上場。経済同友会幹事および規制競争政策委員会副委員長、日本経済団体連合会会員。11歳男児、9歳女児の母
(写真:本人提供)

「日本の教育は、子どもたちの弱点克服に集中しがちです。大切なのは、子どもの弱点ではなく得意なことに着目するよう、大人の思考を切り替えること。海外の教育機関の視察をしていると、とんがった才能を先生たちが見極め、アカデミックの知見を活用しながら教育する環境が整っています。私たちの活動を通して、日本の教育現場でもそうしたアプローチが可能となる土壌を育みたいと考えているのです」

今後、Education Beyondは、22年秋までにパイロット版のプログラムを開催し、翌23年夏から本格的なプログラムをスタートさせる予定。講師は、当面は米国CTY認定の講師の下にバイリンガルのティーチングアシスタントを置くなど、可能な範囲で言語の壁を取り除くべく計画を進めている。

米国CTYの対象年齢は小学2年から高校3年生までだが、日本ではニーズの顕在化している小学生を対象としたプログラムからスタートする。参加希望者は選抜試験を受け、決定される。定員などは米国CTYとも協議中。米国での授業料は3週間のサマープログラムで約3000ドル(約33万円)程度と決して安くはない。日本でも同程度を想定しており、奨学金を用意することでより多くの子どもたちに手の届くプログラムとする方針だ。小林氏が言う。

「豊かな才能を持つできるだけ多くの子どもたちの可能性をCTYで高めていきたい。そのためにも、これからサマープログラムや教員の方々のトレーニングを通して、もっとたくさんの子どもたちに学びの機会を提供したいと思っています」

日本において今、生まれつき特別な才能を持つ子どもが一定数いること、そうした子どもたちが困難な状況に直面している可能性があることを理解している人は少ない。必要な支援が行き届くよう、こうした民間の取り組みがいい先行事例になることを期待したい。

(文:國貞文隆、編集部 細川めぐみ、注記のない写真:すべてCTY PHOTO BY HOWARD KORN)

東洋経済education × ICT編集部

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