40代で体調が変わった女性に知ってもらいたい事 「閉経周辺期」に現れるさまざまな症状のリアル

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まずは、「もっとも不快に感じている症状を、特定すること」が大切です。そこから全体像を探っていきましょう。

血液検査でホルモン値を確認することは、大体の方向性をつかむうえで有益ではありますが、かならず役に立つというものでもありません。ホルモンの血中濃度というのは、その瞬間の値を切り取った、いわばホルモンの自撮り写真のようなもので、写真を撮ったその日、その時間帯にとくに良好な値であること、逆にとくに悪い値である可能性があります。

不調が現れる前に血液検査を行って、比較のための記録を取っておくのが理想ですが、大半の人のカルテにはそのような情報は存在しません。そのため、紙に記された血液検査の数値ではなく、患者がかかえる症状を見極めて治療することになります。

ホルモン補充を必要とする女性も少なくない

たとえ血液検査の結果が「正常」であっても、自分自身が「正常だ」もしくは「調子がいい」と思えるようになるまでに、ある程度のホルモン補充を必要とする女性も少なくないのです。

症状からプロゲステロン不足にもっとも悩まされていると判断できる場合は、バイオアイデンティカル・プロゲステロンを用いた、それぞれのニーズに合わせた柔軟な治療がお勧めです。

ホットフラッシュがつらいという人は、皮膚に塗布することのできるバイオアイデンティカル・エストロゲンによる治療が効果的でしょう。

ピルが体に合っているなら、喫煙や肥満などのリスク因子がないかぎり、ピルの服用を続けるのが良いでしょう。高純度のエストラジオール錠剤という選択肢もあり、これは更年期には一石二鳥の治療法です。エストラジオールは、ホルモンの変動を食い止めるうえに従来のピルよりも肝臓への負担が少なく、おまけに避妊の効果もあるので、閉経までの移行期の避妊手段に最適なのです!

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