灘高コンビが起業「少人数オンライン授業」の魅力 子どもが夢中になるのは「テーマ選び」と、〇〇

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少人数の対話式オンライン教育で、主体的な学びを基に、持続的な向学心を持つ子どもたちを育んでいきたい――。そんな志を持った教育スタートアップ企業が新たに生まれた。しかも創業した2人はともに、名門の灘高等学校(以下、灘高)出身で、それぞれ米名門大学のマサチューセッツ工科大学と東京大学で学んだ経歴を持つ。まさに超高学歴チームといえる彼らは、日本の教育をどのように変えようとしているのか。オンライン学習のスタートアップ企業「Mined」を創業した代表取締役の前田智大氏、COOの趙慶祐氏の2人に話を伺った。

オンラインだからこそできる「探究学習」

――2人は灘高の同級生で、前田さんは米マサチューセッツ工科大学(MIT)、MITメディアラボの出身、趙さんは東京大学、大学院の出身ですが、どのような経緯でオンライン学習のスタートアップ企業Mined(マインド)を創業されたのでしょうか。

前田 MITの大学院生だった時に創業を決めました。ちょうど1年生の終わり頃です。それまで、私は大学教授になりたいと思っていたのですが、ソフトバンクの孫正義育英財団に学資援助を受けていた関係から、孫さんの講演を聞く機会がありました。そこで刺激を受けたことが影響しています。孫さんの言う「社会に価値を提供する」というインパクトを、教育分野で生むには、研究者であるよりも、起業家のほうが近道だと思ったのです。そのとき灘高で仲のよかった同級生である趙君に声をかけました。創業は2020年8月。最初は2人で高校生向けに受験勉強マネジメントの授業を始めたのですが、生徒の話を聞くうちに受験勉強にフォーカスするよりも、大学でどんな学問が勉強できるのかといった目的意識を育むほうが彼らの学びに貢献できると考えました。そこで、子どもたちが学びを好きになる場として、オンライン少人数ライブ授業のプラットフォーム「スコラボ」を開設することにしたのです。

 私たちの「スコラボ」は、ICTデバイスの普及とコロナ禍で生まれたものですが、今のトレンドである、既存の学習をデジタルで効率化するというようなサービスではありません。むしろその先を見据えています。今、学校では探究学習の導入が加速しています。その中では、型にはまった教育コンテンツを提供するのではなく、個々人に合った教育コンテンツ、しかも次世代の子どもたちが主体的に学び続けられるような教育サービスが必要です。今のオンライン教育の枠組みから一歩先を目指して、私たちは「スコラボ」を立ち上げました。

灘高の体育祭の写真。上に乗っているのが前田氏。下で支えているのが趙氏だ

――そんな「スコラボ」の特徴とは何でしょうか。

前田 大きな特徴は探究学習とSTEM(科学、技術、工学、数学)教育を軸に、主に小学1~6年を対象として、1クラス5~6人という本当の少人数でオンラインライブ授業を行っていることです。全講座数は70コマ以上で授業時間は各55~90分。平日は16~22時、土日は7~22時にライブ授業を開催しています。いずれも買い切りチケット(1回1000~2000円程度)を購入して講座ごとに受講することができます。これには、理由があります。本来、子どもの興味は移り変わりがあるのが自然です。しかし、従来の習い事は決まったカリキュラムに長期のコミットを求めます。スコラボは、月額型・サブスクリプション型ではないので、興味が出た時期に自分の予定に合わせて続けることができます。

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