締め切りぎりぎりに作って、すぐ世に出す--『871569』を書いた箭内道彦氏(クリエーティブディレクター)に聞く
--時代ととことん併走……。
時代の先を行くのでなく、遅れるのでもなく。そのために必要なことは、締め切りぎりぎりで作ってすぐ世の中に出すこと。思いついてから世の中に出るまでを、いかに短くできるかがポイントだ。
今は世の中の匂いや空気感がすぐに変わっていくから、明日からオンエアの作品でも「変えさせてください」と、1回出来上がったものをぎりぎりで変更したこともある。周りは迷惑しているだろうが。
--書店に行かないそうですね。
影響を受けたくないから。この数年間に読んだ本は数冊しかない。それはMCをしているテレビ番組のゲストの方の本。それしか読んでない。逆に言えば、まねしないで済んだともいえる。また、本を読むたびに自分の小ささみたいなものを思わずに済む。これも大きい。
(聞き手:塚田紀史 撮影:吉澤菜穂 =週刊東洋経済2010年9月11日号)
やない・みちひこ
1964年生まれ。東京芸術大学美術学部デザイン科卒業。博報堂を経て、2003年「風とロック」を設立。数々の話題の広告キャンペーンを手掛ける。タワーレコード「NO MUSIC, NO LIFE.」、資生堂「uno」お笑い芸人52人CM、東京メトロ「TOKYO HEART」など。フリーペーパー『風とロック』編集長。
『871569』 講談社 1575円 237ページ
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