後発2社が新機能追加で再挑戦 ノンアルコール2年目の戦い

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猛暑が続く中、ビール風味のノンアルコール飲料市場の競争が過熱している。昨年4月にキリンビールが「フリー」を投入して以来、ドライバーなどの支持を得て同市場は一気に拡大。年間販売量は昨年の500万箱から今年は900万箱に膨らむ見通しだが、現状は「フリー」の独走状態。そこで2年目となる今年、ライバル各社が新たな機能を追加した新製品で再挑戦を挑んでいる。

8月3日、サントリーが投入した「オールフリー」はアルコールに加え、糖質とカロリーも「ゼロ」に抑えている。昨年9月に「ファインゼロ」を発売していたが売り上げが伸び悩み、ほぼ一から製品を作り直した。機能性向上を求める声に応えるだけでなく、質の高い麦汁を使うなど素材にもこだわった。サンプルの数は1年半で約400種類に上ったという。「単純なビール代替品ではなく、新たな価値を定着させたい」(サントリーのビール事業部、水谷俊彦・ブランド戦略部長)。缶のデザインは白地に金文字と、あえてビールと“差別化”した。

対抗するアサヒも同日、昨年の「ポイントゼロ」に続き、「ダブルゼロ」を発売。今回はカロリー「ゼロ」に加え、麦芽エキスを使うことで爽快なビールの味を追求し、巻き返しを図る。ノンアルコール飲料市場でのシェア争奪戦は一段と激化しそうだ。

(張 子溪 =週刊東洋経済2010年8月14日号)

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