GIGA元年、2021年の教育界を人気記事で振り返り 不登校、ブラック校則、偏差値教育、格差まで
17年のOECD(経済協力開発機構)の調査では、大学のSTEM(理系)分野の女性割合において、日本は工学系や数学系で加盟国中最下位という結果が出ている。これが将来の職業選択にも直結しており、技術者の男女比に大きな影響を与えている。
成長著しいIT業界も、女性技術者の少なさが課題となっている業界の1つだ。技術職の男女比に偏りがあったとしても、大して困らないだろうと思う人も多いかもしれないが、AIのアルゴリズムや学習データに男女の偏りがあると、AIも性差別をしてしまうようになるという。
現状の男女比が無意識バイアスとなって、さらに理系分野に進む女性が減ってしまう。そんな負の連鎖を断ち切ろうと、IT分野のジェンダーギャップを解消することを目指すスタートアップがある。Waffleだ。記事では、そんなWaffleの無意識バイアスを払拭したいという強い思いや中高生向けオンライン・コーディングコースの中身を取材した。
異色のキャリア、フリーランスティーチャーという働き方
学校における最大の課題は、働き方改革ではないだろうか。そうは思うものの、この1年の間に働き方改革が顕著に進んでいる学校現場に、残念ながら出合うことができなかった。
ただ、そんな働き方改革が急務な現場だからこそ、当初から東洋経済が注目してきたのが、フリーランスティーチャーという異色のキャリアで活躍する田中光夫氏だ。連載「フリーランスティーチャーの視点 ~ココがヘンだよ 学校現場~」では、学校に身を置きながらも組織とは一線を画す存在として、効率的に働く田中氏の独自の実践アイデアなどを取材してきた。
中でも読まれたのが、「SNSで教員が『絶対やってはいけない』3つのこと」。
教材研究や授業準備に熱心な田中氏だが、デジタル領域のアップデートも欠かさない。SNSを通じた情報発信もTwitter歴9年、Facebook歴8年とかなりのエキスパートだ。そんな田中氏が、先生がやってしまいがちな過ちや炎上につながる可能性のある発信を細かく解説。田中氏の経験も交えながら、教員の情報発信に関する注意点をまとめている。
SNSはこれからという人も、恐る恐る使っている人も、自分は大丈夫だと思っている人も一度は読んでおきたい。
教員免許更新制が廃止へ
最後に、もう1つ人気の連載を紹介しよう。教育研究家 妹尾昌俊氏による連載「今変わらなくて、いつ変わる? 学校教育最前線」だ。時流のテーマを丁寧に、時に辛口に解説してもらう連載で、「教員免許更新制に代わる『新制度』の気になる中身」は、21年の妹尾氏の連載でいちばん読まれた記事だった。
中央教育審議会は21年11月、教員免許更新制の発展的解消を正式に決定した。なぜ「廃止」ではなく、「発展的解消」なのか。10年に一度の更新講習に代わる新たな教師の学びの仕組みとは、どんなものなのか。中教審がまとめた審議まとめからは、まったく見えてこないという厳しい指摘が続くのだが、多くの読者から反響があった。
実際、どんな学びの制度となるかはこれからだが、引き続き22年に注目すべきトピックであることは間違いなさそうだ。
いかがだっただろうか。10選で1年を振り返るのには無理があるが、読者が関心の高い分野や大きなトレンドはつかめたのではないか。関連記事も多いため、併せて21年を振り返ってみることをお勧めする。
(文:編集チーム 細川めぐみ、注記のない写真:Fast&Slow / PIXTA)
制作:東洋経済education × ICT編集チーム
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