親子就活 親の悩み、子どものホンネ 中村昭典著

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さて「親子就活」という書名を見て、就活学生を持つ親をターゲットにした本ではないかと思う人は多いだろう。たしかに親の年代(40代~50代)で、しかも新卒採用について無知な読者を想定している。新卒採用にくわしくない人でも、この20年、30年に起こった職場の変化を通観し、正社員中心の新卒採用の時代から、正社員と派遣+パートが混在するに至った背景を理解できるだろう。

しかし本書を読んでもっとも多くを学ぶことができるのは、親ではなく人事担当者ではないかと思う。あるいは新卒採用関係者だ。現在の若手人事担当者が本書を読むと知らないことだらけで発見の連続だろう。

数十年にわたる新卒採用の歴史、教育現場の変化が一読して理解できる。若手人事担当者の場合、新卒採用で使われる言葉の意味もよく知らないだろう。本書は説明が丁寧だ。インターンシップ、オープンキャンパス、インターンシップ、エントリーシートなど通常は無定義で使用されるが、もともと新卒に無知な親の世代を対象としているので、わかるように説明されている。

もちろん学生が読んでも自分たちが就職するこの社会についてイメージをつかむことができるだろう。読んで損のない一冊として推薦したい。

(HRプロ嘱託研究員:佃光博=東洋経済HRオンライン)
アスキー新書 780円

  

人事・労務が企業を変える 東洋経済HRオンライン

 

 

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