
このマンガは、さまざまなところで勉強になります。理系の考え方や問題が出てきて、それをどう証明するか、どのように考えれば解にたどり着くかなどが描かれているので、単純に知識として得るものが多いです。
しかし、何よりも勉強になるのは、勉強に向かう姿勢です。例えば、このマンガでは「この研究は何のために役立つのか」を教授から突っ込まれるシーンがあります。自分がいったい何を勉強していて、どんな物事に自分の勉強が役立つのかを考えていない生徒を教授が叱るのです。
ともすると、僕らもこの問題に陥ってしまいがちですよね。自分の勉強が何に役立っているのか見えずに勉強して、勉強のための勉強になってしまう。
でも勉強ってそういうものではないんですよね。例えば、このマンガにも登場しますが、理数系の勉強をしていると出てくる「巡回セールスマン問題」は、ディズニーランドでどういうコースで行けばいちばん多く乗り物に乗れるのかを考えるのに役に立ちます。ゲーム理論のナッシュ均衡を学べば、文化祭の出し物がかぶらないようにするのに役立ちます。
学問は、卑近な悩みを解消したり、世の中のちょっとした問題に対する解決の糸口をくれるものなのです。
このマンガはタイトルのとおり、「恋」と「理系的な学問」を結び付けるものです。このタイトルに突っ込みを入れる人もいるかもしれませんが、違うんです。学問とはそういうものであっていいんです。それくらい自由に学んだり、研究したりしてもいいものなのに、僕らが勝手にハードルを高く設定してしまっているんですよね。
学問のハードルを下げて、勉強に向かう姿勢を学ぶために、このマンガはぜひ読んでみてもらいたいです。
「努力できない」と嘆いている人にお薦めのマンガ
次に紹介するのは、『3月のライオン』(白泉社 ヤングアニマルコミックス)です。僕はこの作品はぜひ、努力できないと嘆いている人にこそ読んでほしいと考えています。僕自身も受験生時代に何度も読み直して、何度も勇気づけられました。

このマンガは将棋の棋士の話なのですが、どの棋士も凡人よりも何倍も何倍も努力しています。努力して努力して努力して、それでも足りなかったり戦っても勝てなかったりを繰り返しながら、戦っています。
努力を続けるのって難しいですよね。頑張っても何も得られないかもしれないし、努力したって無駄になるかもしれない。自分にがっかりすることもあるかもしれないし、どうしようもないことがあって駄目になってしまうかもしれない。