94万円~「新型アルト」低価格を守り続ける使命 ハイブリッド化と安全装備充実が機能面の進化

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ボディカラーは、シンプルでベーシックなものを基本に、2つの新色(ダスクブルーメタリックとソフトベージュメタリック)と、先代にはなかったホワイト2トーンルーフ4色を設定。合計12パターンから選べるようになっている。

社長に続き登壇したチーフエンジニアの鈴木猛介氏は、開発に当たってユーザーの意見を全面に採り入れたことを強調した。

「進化の方向性についてはさまざまな議論を行い、また実際に全国のお客様に直接お会いしてお話を聞かせていただいた。その中で、自動車の電動化が進むなか、アルトにもハイブリッド仕様を望む声があった。同時に安全への意識の高まりから、安全装備の充実への要望もあった。一方でアルトは仕事で使うお客様も多く、お求めやすい価格や仕様についても要望が多かったため、その声に応えるべくグレード構成などを検討した」

94万3800円(Aグレード、2WD、CVT)からと100万円を切る価格設定は、こうした声に答えたものの1つだろう。フリートユーザーへの大きなアピールとなるはずだ。

マイルドハイブリッドを新設定。MTは廃止へ

ハイブリッド仕様を望むユーザーの要望どおり、パワートレインは従来のR06A型エンジンとエネチャージの組み合わせに加え、R06D型エンジンとマイルドハイブリッドの組み合わせの2種類が設定された。マイルドハイブリッド仕様は、WLTC モード燃費で軽自動車トップとなる、27.7km/Lを達成する。

組み合わされるトランスミッションは、全車CVTのみ。先代まであったMTの設定をなくした理由は、「環境性能を鑑みたマイルドハイブリッド主軸の開発による判断」だと説明された。

マイルドハイブリッドは「スペーシア」や「ワゴンR」に先行搭載されたもの(写真:スズキ)

安全面では、夜間の歩行者も検知するデュアルカメラブレーキサポートをはじめ、誤発進抑制機能、車線逸脱警報機能、ハイビームアシストなどを搭載する「スズキ セーフティ サポート」と、サイド&カーテンエアバッグを含む 6つのエアバッグが全車に標準装備されたことがトピックだ。全方位モニター用カメラ装着車には、狭路でのすれ違い時の接触防止をサポートするすれ違い支援機能も搭載されている。

また、メーカーオプションとして、必要な情報をフルカラーで見やすく表示するヘッドアップディスプレイ(HUD)も設定。このHUDには、ステレオカメラで認識した道路標識を表示する標識認識機能も搭載されるなど、軽自動車でトップクラスともいえる安全機能が装備される。

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