超ムズ「英語で観光案内」ロボット作る授業の魅力 台東区・上野中「Sota」で学ぶプログラミング
こう話すのは、NTT東日本 ロボコネクトのサービス主管 江川智洋氏だ。「Sota」は、NTTグループが持つ音声認識や音声合成などのAI関連技術を活用したコミュニケーションロボットで、駅やホテル、空港、商業施設など実社会で使われている。

今回の授業でも「『Sota』を見たことがある」という生徒がいたように、「プログラミング学習のために開発された教材ロボットではないため、プログラミングが社会でどのような役割を果たすのか『これもAIなんだ』と思ってもらうきっかけになると考えている」(江川氏)という。
実際、授業を受けた生徒たちにそれらは伝わったのか。
「実際やってみて、思ったより難しかった」
「『Sota』が思うようにしゃべってくれず、データが消えたりもしたけど、楽しかった」
「英語の表現を簡単にして、聞き取ってもらえるよう工夫した」
「短くしたほうが『Sota』が答えてくれることがわかった」
「『Sota』が英語を聞き取って答えてくれるとうれしかった」
「10回話しかけて返ってきたのは1回だけで『Sota』に嫌われているのではないかと思った」など。
授業のゴールを「東京の文化を英語で紹介するロボットを作ること」と考えると、かなり達成が難しい内容ではあったが、多くの生徒が真剣に、楽しんで取り組んでいたことがわかる。
来年度に始まる高等学校の新学習指導要領では、プログラミング言語であるPythonなどを「情報科」で本格的に学んだりもするが、小・中学校ではプログラミング教育を通じて論理的思考を養うことや、社会におけるコンピューターの役割などを理解することを目的にしている。
今回は、ロボットを活用し、さらに英語も含めた教科横断型で行ったことで多くの生徒が興味を持って学んでいた。何より、今や社会に欠かせなくなっているAIを知り、さらにそのAIとの付き合い方にも工夫がいることを体感できたことは、ほかにはない貴重な学びになったのではないだろうか。
(文・撮影:編集チーム 細川めぐみ)
制作:東洋経済education × ICT編集チーム
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