アルピナ「B8」超高級車2557万円の揺るぎない価値 最高峰の機能・性能、誰がどう買っているのか

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売れるのか、売れないのか。現実に存在する壁は、“優れた顧客体験”を実現できるかどうかだ、とヴィット副社長は断言する。

(撮影:今 祥雄)

「高級なショールーム、高価な展示車、お客様に車をどのようにカスタマイズできるかを提示するスペースが必要です。もちろん、優秀なセールスマンも欠かせません。彼らは商品知識だけでなく、『お金持ちの世界』を理解していなければなりません。お客様の生活に何が必要か、どんなサークルに属しているのか、彼らにとって何が“普通”なのか、など。完璧なマナーと気配りを身につけることもとても重要です。それらがすべて揃った結果として、お客様から信頼を得ることが可能になります。それこそが乗り越えるべき“壁”なのです」

2000万円以上のクルマを買う人々のプロファイルには、どんな特徴があるのだろう? 顧客のデータについて詳しく話すのは、個人情報保護の観点から難しい、と前置きしたうえで、ヴィット副社長はいくつかのヒントをくれた。

「かなりの割合を占めているのは、医師、成功した起業家、IT関連、不動産関係、金融関係、投資家、会社役員といった方々です。当然、高額なクルマを買われる方々の平均年収は高くなりますが、年収の高い方々が高価なクルマしか買わないというわけではありません。アルピナのお客さまの7割以上は、おそらく複数の車をお持ちですが、アルピナは日常の生活に使われています。フェラーリのようなブランドの高級車が、日常的には使われないのとは対照的です」

ローンの利用率には、車両の価格帯により明確な違いがあるそうだ。1000万円台では60%程度であるものが、2000万円台では30%程度まで下がる。お金持ちはキャッシュで払いたい人が多いようだ。

日本でアルピナを売るニコルの実像

ニコル・グループ(ホールディングカンパニーはニコル・レーシング・ジャパン合同会社)には、アルピナの総代理店という側面と、BMW、MINI、BMWアルピナ、フェラーリ、ロールス・ロイスの正規販売店(ディーラー)という側面がある。1988年に設立されたニコル・カーズ合同会社は、全国にあまたあるBMWディーラーの中で何度も最優秀賞を受賞している。模範とされるディーラーの経営は、何が違うのだろうか。アルピナからは話題が逸れるが、せっかくの機会なので尋ねてみた。

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