雪国まいたけ、創業家の逆襲でどこへ行く 不祥事でいったんは放逐されたはずが・・・

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支配株主の力を行使して社長を入れ替えた大平喜信氏(2006年、梅谷秀司撮影)

ところが今年6月27日に本社のある新潟県南魚沼市で開かれた定時株主総会で、会社提案の取締役人事案に対し、大平氏一族から、異なる人選での取締役選出の動議が出された。

会社提案では星名氏らの再任だったが、動議は、星名氏を含む取締役を入れ替えるもの。この動議が賛成多数で可決され、星名氏らは取締役を退任。かわって社長には元ホンダ専務取締役の鈴木克郎氏が就任した。

大平喜信氏は雪国まいたけ株式の21.97%を直接保有するほか、資産管理会社や一族分を合算すると議決権のある株式のうち67.33%を所有しており、同社は喜信氏を「支配株主」と公表している。

大平氏とホンダ出身の新社長の接点は不明

喜信氏やそれに連なる創業家一族が支配株主の力を行使して経営権を取り戻したことは明らか。一方、自動車メーカーの役員だった鈴木氏と大平氏一族にどのような接点があり、今回の事態に至ったのかは明らかにされていない。

提出した改善報告書は反故にされたことになる。東証の判断が注目されていたが、総会から1か月たった7月29日に同社は「改善報告書等における改善措置の継続的実施および新経営体制の経営方針について」を発表した。

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