東海道新幹線の雑誌「ウェッジ」、誌面作りの内側 発行10万部、グリーン車からの「持ち帰り率」が鍵

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――発行部数は?

約10万部。その7割程度がグリーン車に配布され、残りは車内や駅売店や書店での販売や定期購読が占めている。

――売れた号、売れなかった号はどうやって判別するのですか。

おおき・けいご/1977年高知県生まれ。2000年関西学院大学経済学部卒業後、JR東海入社。 東海道新幹線の駅員、車掌、運転士を経験後、新幹線鉄道事業本部管理部人事課、新入社員研修インストラクター、広報部東京広報室、三重支社管理課、名古屋駅総務科長、営業本部等を経て2020年7月から現職。ウェッジ出向は2007〜2012年に続き2回目(撮影:尾形文繁)

グリーン車に置いてある『ウェッジ』には「ご自由にお持ち帰りください」と記載しているので、どれだけ持ち帰りいただけたかが1つの指標になる。号によって違うが、持ち帰るお客様は約60%いる。「いつもポケットに搭載されているので、持ち去られていないんじゃないか?」と思う方もいらっしゃるかもしれないが、持ち帰られたら、しっかり補充している。

――話題になった号はありますか。

私が編集長になって以降で言えば、2020年10月号「新型コロナ こうすれば共存できる」は、それまで世間ではコロナは怖いというトーンで報道されてきたが、この特集では「コロナとうまく共存していく社会をめざしていこうじゃないか」というメッセージを他誌に先駆けて伝えることができたと自負している。今もそのスタンスに変わりはない。特集の反響も大きくて、筆者や取材先の方々からも「ほかの雑誌とは違うね」という反応が返ってくるようになった。

鉄道記事はやらない?

――『週刊東洋経済』や『週刊ダイヤモンド』といった経済誌のコロナ特集と比べると何が違うのですか。

時流におもねらずに言うべきことを言う。たとえば、ランキングものは一切やらない。

――特集にランキングを入れると売れますからね(笑)。

発行部数の大半を親会社のJR東海がグリーン車サービスの一環として購入していることが1つの強みだと思う。いろんなことにチャレンジできるので、ありがたい環境だ。

――でも、JR東海から編集方針について注文がつくことはありませんか。

まったくない。我々が責任を持って編集している。編集にあたっては、公益の視点を重視している。今の環境に胡坐をかくことなく、しっかりとしたものを作っていきたい。

――鉄道の記事はまったくありませんね。編集会議の議題にも上らないのですか。

上らないですね。「鉄道トリビアなど、やればいいのに」とはよく言われるが、雑誌の性格が違いすぎるし、東洋経済オンラインさんの企画力にはかないません(笑)。ただ、2021年4月号の「『一帯一路』大解剖」では中国の一帯一路によるラオスやカザフスタン、ケニアなどの鉄道は「うまくいっているの?」という視点を取り上げた。弊誌で鉄道を取り上げる場合は、こうしたテーマになる。

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