付利の利息は0%で期待外れの気候変動対応オペ 慎重な考え方に基づく制度設計を優先したのか

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ブルームバーグがエコノミスト47人を対象に6-9日に実施した調査では、インセンティブとしてプラス付利を行うとの見方が過半の57%を占めていた。具体的な付利水準は0.1%との見方が43%で、0.2%は14%。ゼロ%との回答は20%だった。

気候変動に関する日銀の取り組み方針も公表し、保有外貨資産で、外貨建てのグリーン国債の購入を行うことを明らかにした。

金融システム面では、気候関連金融リスクへの対応状況について金融機関と対話を深める。金融庁と連携し、大手金融機関などを対象に、リスクの定量的な把握のため、共通シナリオによる分析の検討を進める。

GDP見通しは21年度下方修正、22年度上方修正

(注)単位は%、政策委員見通しの中央値。

金融政策運営は現行の長短金利操作付き量的・質的金融緩和の維持を賛成多数で決定した。会合には6月30日に就任した中川順子審議委員が初めて参加した。

新たな「経済・物価見通しの展望(展望リポート)」では、21年度の実質国内総生産(GDP)見通しを前年度比3.8%と4月時点から下方修正する一方、22年度を同2.7%に引き上げた。消費者物価(除く生鮮食品)見通しは0.6%に上方修正した。

経済見通しは、感染症の影響を中心に当面は下振れリスクの方が大きいが、見通し期間の中盤以降は「おおむね上下にバランスしている」と評価。物価見通しは、下振れリスクの方が大きいとしている。日本経済はワクチン接種の進ちょくなどに伴って感染症の影響が徐々に和らぎ、先行きは回復していくとみている。

(気候変動に関する日銀の取り組み方針を追加して更新します)

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著者:伊藤純夫

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