玉川聖学院の探究「人間学」に見るICTの絶大効果 休みがちな生徒も「1人1台」で学びやすく

オンライン英会話でネイティブから英語を学ぶようになったほか、3年間の集大成として取り組む修了論文はGoogleドキュメントを使うことで担当教員と進捗を共有しやすくなったという。21年度からは新たな科目「探究」が設けられたため、さらなる活用が期待される。

玉川聖学院 情報科主任、理科、ICTネットワーク担当。NHK技研の研究実習生と玉川聖学院講師の兼務を経て、2006年より現職。理科と情報で教鞭(きょうべん)を執りつつ、ICT教育を推進。コロナ禍においてはWEB会議システムプロジェクトリーダーとしていち早くオンライン授業に対応
大沼氏は、端末活用の秘訣について次のように語る。
「GIGAスクール構想で端末整備が先行して活用が進んでいないという話もありますが、最初の整備は重要なのでこの順序は正しいです。あとはやってみればいいだけの話。ソフト面の活用が注目されがちですが、高度な授業は考えず、とりあえず低いハードルとスモールスタートで始めてみることです。クラウドを使うだけで大きく変わりますし、やりながらいろいろな活用法が見えてきます。
ただし、ネットワーク環境は重要。本校もコロナ禍のオンライン授業を通じてそこが課題となり、すぐに全教室でWi-Fiを完備して回線も3倍に増強しました。やはり高速で安心・安全・快適なネットワーク環境がないと、先生や生徒たちの自由な活用はできません。ここは思い切って投資することが大事です。また、ICTに強い若い世代のやる気に応えるトップの積極的な関わりや英断も、本校での端末活用が進んだ要因かもしれません」
とはいえ、同学院でもまだまだ端末が十分に利用されていない授業もあり、さらなる活用は課題だという。「あくまでICTは目的ではなく道具」を前提に、模索は続く。
(注記のない写真は今井康一撮影)
制作:東洋経済education × ICT編集チーム
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら