「野球が9回制になった」あまりに予想外の理由 かつては「21点先取した方が勝つ」ルールだった
コロナ禍によって、昨シーズンは予定より約3ヵ月遅れの6月19日に開幕したプロ野球でしたが、今シーズンは従来通り3月の最終金曜日に開幕。一部外国人選手の入国が遅れたり、ヤクルトや巨人などの選手からコロナ感染者が出たりと、混乱はあったものの、順調に日程をこなしているのは、ファンの1人として喜ばしい限り。
そんなコロナ下の今シーズンのプロ野球に於ける“特例”として、大きな話題となったのが、「9回で試合打ち切り」、要するに、今年は延長戦を行わないというルールです。
これによって増加が予想されたのが、引き分け試合数。事実、開幕してから3週間で既に昨シーズンの全引き分け数を超えるチームも現れるなど、現場へ大きな影響を与えています。引き分け試合を除いた、勝ちゲームの率の高さで競うシステムは変わらないため、このルールが優勝の行方を大きく左右するかもしれません。
さて、この特例によって、改めてクローズアップされているのが、「野球=9回」というルールそのもの。従来から、高校野球でも、メジャーリーグでも、国際大会でも、公式試合が9回で行われているのは言うまでもありません。
しかし、例えばボウリングは10フレームですし、カーリングも10エンドと、他の多くのスポーツでは、1試合を切りのいい10回に区切って行っています。なのに、どうして野球は9回なのでしょうか? そこには、面白い変遷がありました。
「9回」ルールを作った人とは?
そもそも、現在行われている野球のルールの原型を作ったのは誰なのか? それは、アレクサンダー・カートライトさんという方です。
カートライトさんは1820年、アメリカ・ニューヨークの生まれ。16歳の時からウォール街にある銀行の事務員として働いていたそうですが、その銀行が火事になり失業。その後、兄と共にマンハッタンで本屋さんを開業した若手実業家でした。
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