小中「1人1台端末」シェア争奪戦の勝者と敗者 GIGAスクール、43自治体が納品完了ならず

Microsoft WindowsとGoogle Chrome OSを搭載している端末を合計した出荷台数は538万4139台で、当然のことながらiPadよりはるかに多い。
この538万4139台の中でのメーカー別出荷台数では、Lenovoが151万1356台、シェア28.1%でトップに立っている。それに次ぐ第2位はNECで、出荷台数は107万6292台、シェア20.0%である。これまで同社はWindows PCを教育市場に投入していたが、この調査によれば「Chromebook」を139自治体に納入している。これが同社のシェアを大きく伸ばす要因となったものとみられる。
一方、小中学校向け市場で圧倒的なシェアを誇っていた富士通(富士通クライアントコンピューティング)の出荷台数は44万1399台にとどまっている。Microsoft WindowsとGoogle Chrome OS端末内のシェアでもわずか8.2%だ。
NECは自社の教育クラウド「OPE」の学習用IDを150万発行(予定を含む)したと公表するなど、教育向けサービスの強化に取り組んでいる。対して富士通は、オンプレミスの地域で高いシェアを持つ。今後、国内勢のこの2社がどのような展開を見せるかにも注目したい。
新型コロナの影響でGIGAスクール構想が前倒しされ、この1年で約750万台の端末が一気に教育現場へ入った。突如現れた巨大市場に端末メーカーは大きく沸いたわけだが、今後その主戦場は、高校の「1人1台端末」整備へと移る。高校はBYOD、あるいは都道府県による環境構築となるが、今回後塵を拝することとなったメーカーの鼻息はすでに荒い。
だが、何より重要なのは、こうして入った端末が確実に教育現場で活用されていくことだ。ハードが入っただけで教育が変わるほど甘くはない。4月から端末の本格活用が始まっているが、多くの学校、先生が混乱状態と聞く。教員の研修を含めた持続的な活用に向けた取り組みが、今後も求められる。
(写真:iStock)
制作:東洋経済education × ICT編集チーム
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