今年6月末までに総人口の40%に当たる5億6000万人に新型コロナウイルスワクチン接種を終えるとの野心的な目標を掲げる中国が、国産ワクチンの供給不足に陥っている。このため、衛生当局は1回目と2回目の接種間隔を延ばさざるを得なくなっており、一部の人々は2回目の接種予約ができない状況だ。
世界最速のワクチン接種スピードが裏目に
中国は1日当たりのワクチン接種回数を約500万回分に加速。世界で最速となっているが、ブルームバーグのワクチン・トラッカーによると、人口100人当たりで見れば接種で先行する米国やイスラエルなどになお後れを取っている。
中国は国内メーカーからワクチン供給を受けているため、調達難に陥っている大半の国・地域に比べて管理はしやすいが、急ピッチの接種でメーカーの量産にも限界が迫りつつあると事情に詳しい複数の関係者は明かす。
公に話す権限がないとして匿名を条件に語った関係者によれば、こうした事情もあって国家衛生健康委員会は3月末、1回目と2回目の接種間隔を最大8週間に延ばせるとのガイドラインを出した。これは中国生物技術や科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)が開発したワクチンの臨床試験で採用した接種間隔の2倍余りだ。