U-NEXT、Hulu独占の海外ドラマ奪取が必然の訳 加速するテレビ局系の人気作品囲い込みに対抗

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そうしたコンテンツ獲得競争の中、ユーネクストがワーナーメディアとの独占パートナーシップを結んだ意義は大きい。実質的に、HBOが巨額の費用を投じて制作した作品がユーネクストオリジナルに成り代るためだ。今後、ユーネクストはHBO作品を1000話以上配信する予定で、制作費の総額は「何兆円という単位で考えたほうがいい」(本多利彦最高コンテンツ責任者)ほどのものだ。

ユーネクストは会見において、1つのアプリで「書籍・音楽・動画」などエンタメすべてを楽しめることと、自社サービスでしか見られない「独占配信」の2点に注力すると打ち出した(写真:U-NEXT)

3月30日に開かれた記者会見において、ユーネクストの堤天心社長は「動画配信市場は、利用者がレンタルDVDや有料放送から移行することでまだまだ成長の余地がある」と話す。具体的な会員数の目標は伏せたが、「早期に会員数250万、300万(を目指す)」(堤社長)という。

市場が頭打ちになったときが本当の勝負

その一方で、ある動画配信サービス関係者は「今はまだ市場が拡大しているので、どのサービスも会員が増加している。(市場拡大が)頭打ちになったときに本当の勝負が始まる」と話す。

そのため、市場が成長しているうちにどれだけ魅力あるコンテンツを集められるかが、今後の勝負の決め手となる。各社がそうした将来を見越して、多額のコンテンツ投資を行っている中、「独自作品(オリジナル)」のイメージが薄かったユーネクストにとって、HBOとの独占契約はこうしたイメージ脱却のきっかけになるだろう。

ユーネクストは今後も独自作品を増やすべく、年内に他の海外事業者と同様の契約締結を目指す方針だ。海外ドラマファンに人気の高いHBOに加え、他事業者とも連携することで「ユーネクストだから契約する」というサービス像を追求することが求められそうだ。

井上 昌也 東洋経済 記者

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いのうえ まさや / Masaya Inoue

慶應義塾大学法学部政治学科卒業、同大メディア・コミュニケーション研究所修了。2019年東洋経済新報社に入社。現在はテレビ業界や動画配信、エンタメなどを担当。趣味は演劇鑑賞、スポーツ観戦。

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