U-NEXT、Hulu独占の海外ドラマ奪取が必然の訳 加速するテレビ局系の人気作品囲い込みに対抗
実は元々、HBOは2016年にフールーとSVODにおける独占契約を締結していた。一部作品は都度課金などの形でフールーに残り続けるものの、今回のユーネクストの動きはフールーからコンテンツを奪い取った形とも言える。
各社とも順調に会員を増やす中、ユーネクストがあえて強力な海外コンテンツを囲い込みにかかるのはなぜか。背景には、各社による熾烈なコンテンツ獲得競争がある。
テレビ局がドラマを外販から独占配信へ
日本での動画配信は、巨大資本の外資系サービス・テレビ局系サービス・独立サービスに大別される。このうち外資系とテレビ局系は、巨額のコンテンツ費用を投じ、オリジナルコンテンツ制作に注力している。
例えば、ネットフリックスは実写制作体制の強化を狙い、国内最大規模の撮影スタジオ「東宝スタジオ」のスタジオ2棟と関連施設を2021年4月から複数年借りると発表。日本テレビHDもフールーなどを念頭に200億円の戦略的投資枠を設け、動画配信強化を打ち出した。
多くのテレビ局では動画配信に注力する一環として、人気ドラマを他社に販売せず独占配信するケースが増えている。日本テレビHDではそうした動きに加え、スピンオフなど放送と連動した番組を制作し、地上波のファンを囲い込む戦略が奏功。ほかの放送局でも同様の動きが加速している。
こうした環境が今後も続けば、やや苦しい立場に追いやられるのが、独立系サービスのユーネクストだった。同サービスはオリジナル作品が少ない代わりに、幅広いコンテンツを取り揃えている点に優位性があった。しかし、仮に今後、各社が独占配信を追求してしまえば、強みである品揃えで劣ってしまう。
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