金融ベンチャーのグリーンシル・キャピタルは、英国で破産申請の手続きを開始する。同社は突然の信用喪失でローン債権の買い手を失い、ドイツに置く銀行部門のグリーンシル銀行も当局の監視下にある。
事情に詳しい関係者が匿名を条件に述べたところによると、グリーンシルは身売りの交渉を続けているが、破産申請は行う計画。同社は保険会社アテネ・ホールディングおよび同社に出資する投資会社アポロ・グローバル・マネジメントと、事業売却についての交渉を継続中という。
資産家レックス・グリーンシル氏が率いるグリーンシルは、同社の融資の一部を保証していた信用保険が失効したことから窮地に立った。融資債権の価値に疑問が生じ、クレディ・スイス・グループが同債権に投資していたファンドを凍結。さらに、ドイツ連邦金融監督庁(BaFin)はグリーンシル銀行の決済凍結に近づいていると、事情に詳しい関係者が述べた。当局は同行の融資先集中に懸念を表明し、監督官を送り込んでいた。
ドイツ金融当局、グリーンシル銀行の決済凍結に近づく-関係者
グリーンシルは2日、「主要なグローバル金融機関との間で独占交渉期間」に入っていると発表。「週内に取引をまとめることを目指しており」、合意すれば「グリーンシルの事業と運用資産の大部分」が取引に含まれる見込みだとしていた。
それに先立ちスイスの資産運用会社GAMホールディングも、グリーンシルの融資債権に投資するファンドの解体を開始すると発表し、前日のクレディ・スイスの動きに続いた。
シドニーの裁判所に提出された文書によると、東京海上ホールディングスが傘下に置く豪州の1社は1日、クレディ・スイスのファンドが保有していたグリーンシルの債権について信用保証契約を更新しなかった。これがクレディ・スイスのファンド凍結につながったと関係者が述べている。
ファンドの凍結によって、グリーンシルはローン資産の大口の買い手を失った。アポロとアテネは事業買収で合意すれば融資向けの資金を提供する可能性がある。
ニューヨークに本社を置くアポロの広報担当者はコメントを控えた。
原題:Greensill Starts U.K. Insolvency Process as Talks Continue (1)(抜粋)
著者:Steven Arons、Nicholas Comfort、Lucca de Paoli、Luca Casiraghi
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