ユニリーバ「高校生インターン」大好評の中身 人事担当役員が語る「伸ばすべき4つの力」
それより大切なのは、自分はどんなものの見方をしているのかということを自身に問いかけ続け、自分が何に興味やパッションを持っているのかということに気づくような『自己認識力』。学生時代は、興味を深め試行錯誤してほしいですね。また、挫折したり落ち込んだりしても、そこから『じゃあ、どうするか』と考えて再び動き出せる『レジリエンス』も重要。弊社の採用でもこの2つをしっかり見ています」
また、同社は外資系企業ということもあり、日本人がいいアイデアやクリエーティブな力を持っているにもかかわらず、ディベートになると一気に劣勢になってしまう場面によく遭遇してきたという。
「日本人は、自分の考えを発信できる『表現力』と、相手の話をしっかり『聴く力』をもっと伸ばす必要があるでしょう。日本の教育水準の高さは世界の中でも誇れるものですが、暗記力を競うスタイルはもう古い。1人ひとりの意見がユニークで大切だということを学べる場を、義務教育の中にもっとつくれるといいですね」
自分のよさや可能性を認識するとともに、あらゆる他者を価値のある存在として尊重し、多様な人々と協働しながらさまざまな社会的変化を乗り越え、豊かな人生を切り拓(ひら)き、持続可能な社会の創り手となることができるようにすることが求められる――。
これは新学習指導要領の前文にある記述であり、中央教育審議会の答申「『令和の日本型教育』の構築を目指して」の総論でも「急激に変化する時代の中で育むべき資質・能力」として改めて強調された内容だ。島田氏が指摘する「自己認識力」「レジリエンス」「表現力」「聴く力」の育成は、国が目指す「令和の日本型学校教育」の方向性とまさに合致しているのではないだろうか。

ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス 取締役人事総務本部長。1996年慶應義塾大学卒業後、パソナ入社。2002年米ニューヨーク州コロンビア大学大学院にて組織心理学修士取得、日本GEにて人事マネジャーを経験。08年ユニリーバ入社後、R&D、マーケティング、営業部門のHRパートナー、リーダーシップ開発マネジャー、HRダイレクターを経て13年4月取締役人事本部長就任。14年4月から現職。 高校2年生の息子を持つ1児の母親。日本の人事部「HRアワード2016」企業人事部門 個人の部・最優秀賞、「国際女性デー|HAPPY WOMAN AWARD 2019 for SDGs」受賞。米国NLP協会マスタープラクティショナー、マインドフルネスNLP(R)トレーナー
(写真および図はすべてユニリーバ・ジャパン提供)
制作:東洋経済education × ICT編集チーム
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