【産業天気図・工作機械】アジア活況で最悪期脱し「曇り」へ、新興国現地需要の開拓が中期のカギ
10年4月~9月 | 10年10月~11年3月 |
世界同時不況で主要企業が大幅減益や大赤字を余儀なくされた工作機械業界。2010年度は低水準ながら、ようやく最悪期を脱しそうだ。10年4月から1年を通じて、景況感は「曇り」となる見通し。
業界の月次受注(日本工作機械工業会調べ)の「底」は09年1月の190億円(内需92億円、外需98億円)。当時はリーマンショック直後で、年度末にかけてキャンセルや計画先延ばしが続出。未曾有の受注急縮減に直撃され、大半の社が「先が見えない」と口をそろえていた。
その後、中国を牽引役に外需が拡大。微増止まりで推移した内需とは対照的な躍進を見せ、同12月受注は602億円(内需176億円、外需426億円)と、リーマンショック直後の08年10月以来の600億円台乗せで09年を終えた。09年通年の受注総額は4118億円。08年に比べ実に68%減となったが、後半には復調が確認できた。
10年の受注動向については、「5500億~6500億円」(中村健一・日工会会長)という予想が示されている。前年比では最大58%増になる。足元の月次受注は1月551億円(内需158億円、外需393億円)、2月648億円(内需195億円、外需453億円)と増勢だ。この勢いが続けば8000億円近辺も現実味を持つ。