おへそはなぜ一生消えないか 人体の謎を解く 武村政春著
冒頭に興味深いエピソードが掲載されている。妻に先立たれたある男性が、泣きやまないわが子の口に、苦し紛れに自分の乳首を押し当てることを毎日繰り返していたら、やがて母乳が出るようになったというのだ。
男性の胸にも母乳を出す乳腺組織はわずかながら残っているため、この話は科学的には妥当だという。そして、男性にも乳首があるのは母親がいないときに母乳を出すためではなく、男性が「複製された女性」だからだと説く。この複製という考え方が、全編を貫く科学的キーワードとなっている。
本書は、医学博士である著者がユーモアをまじえながら、一見ふざけた疑問を、最先端科学を使い説いてみせる。
新潮新書 714円
ブックマーク
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
トピックボードAD
有料会員限定記事
ライフの人気記事