グーグルvs.アップル、覇権争いがヒートアップ
米ハイテク業界の雄、アップルとグーグルの競り合いが激化している。
アップルは3月2日、グーグルの携帯電話「ネクサス・ワン」の端末などを開発する台湾HTCを特許権侵害で提訴。複数機種で「iPhone」のインターフェース関連特許20件を侵害しているとして、米国への輸入禁止などを求めている。
HTCは1月に発売したネクサス・ワンのほか、グーグルの携帯用OS「アンドロイド」搭載端末なども開発・製造している。今回の訴状にはグーグルOS搭載機が多く含まれていることもあって“挑戦状”と見る向きも出ている。
シリコンバレーでも「ご近所同士」の両社。2006年にはグーグルのエリック・シュミットCEOがアップルの役員に就任するなど、長らく友好関係を構築してきた。しかし近年は、その関係に異変が起きている。
風向きが変わり始めたのは、アンドロイドを発表した07年11月。その5カ月前にiPhoneを発売しており、ライバルとして意識するようになった。
グーグルはその後も独自のブラウザや携帯電話などを次々と投入。昨年8月にはシュミット氏がアップルの役員を辞任した。この時、スティーブ・ジョブズCEOは「グーグルがよりアップルのコア事業領域へ進出してきている以上、利害の衝突が生じかねないと2人で合意した」と説明している。