マンション管理組合、年1万の役員報酬は妥当か 面倒さゆえに役員就任を拒む人も増えている
次に、「外部区分所有者協力金の現状」のレポートを見よう。ここでいう「協力金」とは管理費や修繕積立金以外に求める金銭としている。2010年1月26日の最高裁の判決で、外部に居住する組合員に対して住民活動協力金を求める管理規約の改正が認められてからは、同様の負担金を求める管理組合が増えているのだという。
外部居住の組合員に協力金を徴収している管理組合は5.8%。役員報酬制度よりは少ないようだ。外部居住の組合員が多いマンションに加え、築年数が経過したマンションで導入事例が多い傾向にある。高齢化による辞退者が多いからだろう。
具体的に協力金の対象となるのは、管理組合ごとに異なるようだが、おおむね次の図のようになる。外部に居住する組合員に加え、内部に居住する役員辞退者なども対象になっている。
協力金は役員報酬より高めの設定
では協力金の金額はいくらなのだろう?年額換算すると、最も多いのは「1万円以上1.5万円未満」の34%、次いで「2万円以上2.5万円未満」の20%だ。ちなみに、最低額は年額200円、最高額は年額6万円だった。
協力金については、役員報酬の金額よりも高く設定されている印象がある。これは、役員就任は全員で共有の資産を維持管理するという原則からいって多額の報酬を設定していないが、役員不就任については相応の金額設定にしないと「金さえ払えば役員をしなくてよい」という誤解を招きかねないといった背景もあるからだろう。
筆者の住むマンションでは、役員の成り手不足に困るほどの事態にはなっていないが、それでも役員辞退者に協力金の負担を求める規約の改正を行い、辞退者が出にくいようにした。また、外部居住の組合員には、議事録やアンケートなどの配布を郵送で行うことになるので、実費相当分の負担を求めることも検討している。
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