小島よしお、裸を封印して「先生」になった理由 なぜ子供にウケる?YouTube教育動画が話題

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それがある日突然、オセロのように、ひっくり返って○になった。昨日まで、ダメだと言われていたものが、超アリのアリになったんです。

そんな経験から、僕は間違いを間違いとだけ言ってバサッと切り捨てるのではなくて、「それは正解じゃないかも。でも、もしかしたら正解かもしれない。だからいったん別の考え方もしてみる?」みたいな声かけがいいなと、個人的にはそう思っています。

そもそも、正解がないことだってありますよね。バッサリ切るのは、エネルギーになる部分もあるけど、なるべくしたくないですね。

「4分の1」が正解だけど、「8分の2」を否定したくない

この間も、分数の問題を出して答えを募集したんです。「ピザを8等分にして、よしおが3枚、お兄ちゃんが2枚、弟が1枚に分けるよ。残りは何枚?」という問題です。算数の分数問題として答えると、正解は4分の1ですよね。でも8分の2、と回答していた子がいて。算数的には間違いですよね、8分の2。×をつけられる。

だけど、ふと思ったんです。ピザは実際2枚残っているんだから、8分の2なんじゃないか。8分の2のほうがいいかもしれない、って。算数的には×をもらうかもしれないし、先生には怒られてしまうかもしれないけれど、これはこれで合ってるよね、と。子どもの素直な気持ちに寄り添いたいなと思いました。

――子どもたちもそうして、一部分でも認めてもらえると、やる気が出そうですね。

そうだとうれしいですね! とにかく、「優しさ」と「元気」も伝えたいことなので。「わかりやすさ」を1番に置いていた時もあったんですけど、でも、それだけじゃダメだなと。学校でも塾でもない僕、よしお先生が伝えられること、いちばん大事にしないといけないのは、元気で楽しんで、笑うことだなと。

動画を見てくれている子どもたちの話になると、すぐに笑顔になってしまう「よしお先生」

だから、動画を作りながら自分が楽しめているかも、気にしていますね。

子どもって影響を受けやすくて、その場の微妙な感情の揺れを、丸ごと受け取っている気がするんです。「難しい」という言葉も極力使わないように、「うん、簡単だね〜!」と、思いを込めるように伝えています。

以前やらせていただいた仕事に、幼稚園で、ピーマンの歌を歌ってピーマン嫌いが治るかという検証ロケがあったんです。ピーマンが嫌いだった30人の園児たち、何人が食べられるようになったと思います? なんと30人中29人が、本当に食べられるようになったんですよ! 僕、これ絶対“やらせ”なんじゃないかな、と思って。後でこっそり先生に聞いたんですよ。でも、やらせじゃなかった(笑)。そんな経験もあって、楽しい雰囲気で伝えると、子どもたちには素直に届くんだなと実感していて、そこには気をつけて授業していますね。

一日中、365日、子どもたちを見ている先生ってすごい!

――勉強嫌いという子が、よしお先生のファンになる理由がわかりました。最後に、見てくれている子どもたちや親御さん、先生に、メッセージはありますか?

デジタルって、リアルに接して生身で伝わっているものがあるからこそ、僕は生きるんじゃないかな、と思っているんです。リアルでしっかりスキンシップして、子どもたちを見ているからこそ、デジタルを味方にできて、伝えられる。デジタル化している今だからこそ、なおさらそう思います。

僕は、子ども向けのライブ30分でも、動画の10分でもすごく難しくて苦労しているんですね。
だから、一日中子どもたちを見ている先生は、本当にすごいなと思うし、ましてやいろいろな教科を教えていたりして、改めて尊敬の気持ちしかありません。今、先生たちもいろいろと大変だと思うのですが、体には気をつけて、何か自分の癒やされる時間も見つけて頑張っていただきたいと思います。

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