上場維持に賭けるデイトレーダーも JAL株が2日連続ストップ安で終値7円に
13日の東京株式市場で日本航空(JAL)株が前日に続き、値幅制限の下限(ストップ安)となる前日比30円安の7円で取引を終了した。19日がメドとされる会社更生法の申請による法的整理に向けて関係方面の準備が進む中で、100%減資しない方式による法的整理によって上場維持の可能性も残るものの、100%減資による上場廃止の方向性が有力視され始めた今週明けから、2日間で一気に60円も値を下げた格好だ。
出来高は8億2296万8000株と、東証1部全体(約31億株)の3割近くを占めた。さらに2594万7000株の売り注文が残った。
JAL株は100円を割り込み始めた昨年11月ごろから、短期間の売買で差益を狙う「デイトレーダー」と呼ばれる個人投資家の間で、特に売買が活発になされていたようだ。ネット証券大手の松井証券のデータによれば、松井顧客の個別銘柄の売買株数・代金ランキングでトップクラスに顔を出すようになっていた。松井に限らず、ほかのネット証券でも同様の傾向があったとみられる。
デイトレーダーにすれば、株価が100円を割り込むような低位株は、短期的な取引で差益を狙いやすい銘柄となり、株価が乱高下しやすくなる。100円以下では、最低投資単位も最小限となり、株価が1円上下するだけで1%以上の差益を得られるからだ。過去にも、三菱自動車などが経営危機の際にデイトレーダーの標的となって、株価が乱高下したケースがあった。
だが、今回、JAL株の短期的な取引で利益を狙ったデイトレーダーの多くが、大やけどを負ってしまったのは間違いない。
東京証券取引所は、会社更生法を適用した場合でも、100%減資しないなどの一定条件を満たせば上場を維持できるルールを2003年から適用している。これは、経済産業省が当時の産業再生機構を立ち上げる際に東証に要請して、策定されたルールだ。
一方、このルールが今まで適用された例はない。「会社更生法を適用した場合、社債はデフォルト(債務不履行)、ローン債権も一部返済不能になるなど債権者が責任を負うのに、株主の責任が限定されるのは違和感がある」と東証幹部も話すほどだ。