【産業天気図・家電・AV】費用減で10年度前半は「晴れ」へ、ただ新分野開拓なければ中期の成長継続難しい
09年10月~10年3月 | 10年4月~9月 |
家電・AV(民生エレクトロニクス)業界は2009年10月~10年3月が「曇り」、10年4月~9月が「晴れ」となりそうだ。
前09年3月期後半から各社が取り組んだ拠点・人員リストラなどの構造改革策が奏功。今10年3月期は改革関連特損が残り純利益こそ赤字または低水準に終わるものの、来期は利益の出やすい体質で迎えられる見通し。今後は電子ブックなど次世代製品や、自動車電池など新技術でいかにビジネスモデルと投資サイクルを構築できるかが競争軸。それがなければ、10年後半以降、中期的に「快晴」を目指すことは難しくなる。
家電の国内大手3社のうち、今期はパナソニック<6752>とシャープ<6753>が営業黒字化、ソニー<6758>が営業赤字の大幅縮小を果たす公算。さらに来期は3社とも増収増益・黒字化が期待される。
リーマンショック後の消費不況を受け、前期後半以降に3社が行った主な施策は、拠点・人員リストラによる固定費削減、在庫圧縮、調達先企業の集約による部材費抑制など。たとえば最大手のパナソニックの場合、期末までに国内外40拠点を統廃合するなどし、今通期の減価償却額を前期比3割減させる見通し。これが来期の利益体質の下地となる。