婚活の限界--白河桃子の「誤解された婚活」・婚活ブームを検証する 第2回(全4回)

●「養える」「養う気がある」男性が、圧倒的に足りない

 婚活して「結婚しました!」「カレシができました!」「婚活ブームのおかげで、自分から押して、長年の同棲相手と結婚できました」という嬉しい報告も聞く一方、「婚活の限界値」もそろそろ見えてきている。

 地方などを取材して実感するのは、「養ってほしい女性」の数に対して「養える」または「養う気のある」男性の数が圧倒的に足りないという、じつに単純な問題だ。

 東京なら、「考え方を変える」ことで結婚に至る人は、まだまだいる。しかし地方に行くと、ひとつの県では限界が見える。長崎県では、県の婚活イベントを委託されているNPOからこんな嘆きを聞いた。

 「長崎県では、未婚女性の数のほうが1万人多いんです。仕事がないので男性は県外に出てしまう。男性の求人ページが2~3ページしかない現状です」

 女性が、親にパラサイトしながら非正規雇用などで暮せる分、長崎はまだ豊かなのだ。これが東北地方に行くと女性も仕事がないので、県外に出てしまい、居残った長男の未婚人口が多いという結果になる。

 地方の結婚難は「嫁不足」だけではないわけだ。かといって、長崎の女性が東北地方に移住すれば結婚するという単純な問題ではないのだが、ひとつの県の中で解決できないことは確かである。

●奈良県に見る婚活の教訓

 奈良県の「なら出会いセンター」の取材で入手した県作成の資料によると、奈良県は、
 「専業主婦率 全国1位」
 「女性の就業率 全国最下位」
 「出生率 ワースト4」(1.22%、平成19年度人口動態統計)。
 県外で働く人が多いので、平均通勤時間も1時間強と長く、男性の帰宅時間も全国で最も遅く、夜8時過ぎということだ。

 そして、女性の大学進学率は全国4位で、25~29歳までの県外転出率も全国で最も高い。県では「なら出会いセンター」を設立し、平成17年度より婚活事業に取り組み、結婚報告数122組という好成績をあげている。

 しかしデータを見る限り、ほとんどの女性が「専業主婦」になる前提で婚活することになるから、専業主婦を養える男性の数が「婚活の限界」ということになる(核家族率も全国1位なので父母に頼ることができない)。

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