内需弱い中国、政府の支援策も HSBC中国製造業PMI、3月は48.1に
[北京 24日 ロイター] - マークイット/HSBCが発表した3月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値は48.1で、2月の改定値48.5から低下し、8カ月ぶり低水準となった。低下は5カ月連続。
1月以来、景況改善と悪化の節目である50を割り込んでいる。
中国経済への警戒感があらためて広がり、PMI発表後の中国の主要株価指数は下落、アジア株の上値は押さえられた。豪ドルは下落した。
生産と新規受注がいずれも低下した。
生産は47.3で、2012年9月以来の低水準。新規受注は46.9となり、2013年7月以来の低水準だった。 一方、製造業PMIを構成する新規輸出受注指数は4カ月ぶりに上昇し、景気の減速が主に内需の弱さを起因としていることが示された。
ソシエテ・ジェネラル(香港)のエコノミスト、姚偉氏は「旧正月が終わり経済活動が再び活発になる3月は、PMIが回復するのが普通だが、今回は失望を誘う結果だった」と指摘。「政府はおそらく、何らかの支援策を打ち出すのではないか」と述べた。また「景気減速はまだ終わってはいない。低迷は第2・四半期も続く」との見方を示した。
HSBCの中国担当チーフエコノミスト、屈宏斌氏は「指数が低下したのは国内需要が広範に減少したためだ」と指摘。「中国政府は経済成長を安定化させるため数々の政策を打ち出すだろう。考えられる選択肢としては、民間投資に対する規制緩和、地下鉄や大気汚染浄化および公営住宅への投資、貸出利率の低位誘導などだ」と述べた。
関係筋は今月ロイターに対し、中国人民銀行(中央銀行)が、経済成長率が一段と減速した場合に銀行の預金準備率を引き下げる用意がある、と明らかにしていた。
野村(香港)の中国担当チーフエコノミスト、張智威氏は、成長率を7%以上に維持するため、中銀が銀行の貸し出し余力向上につながる預金準備率引き下げを第2および第3・四半期に行うとともに、積極的な財政政策が導入される可能性もあるとみている。
このほかPMIでは、雇用指数が引き続き50を下回ったものの、大きく上昇した。
キャピタル・エコノミクスのアジア担当エコノミスト、ジュリアン・エバンス・プリシャール氏は、「われわれは当局が大規模な刺激策を講じるとは予想していない。当局の最大の関心事である労働市場はまだ健全だ」と述べた。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら