「美容医療」トラブルに男性も巻きこまれる背景

全国の消費生活センターには多くの相談が…

相談事例を見てみよう(国民生活センターの報道発表資料の相談事例から筆者が抜粋・要約)。

相談1:包茎手術が7万円でできると思ったが、不安をあおられてオプションを付加され、約100万円を超える手術費が掛かってしまった(20代 男性)

インターネット広告を見て、7万円で受けられると思い、無料カウンセリングを受けるつもりでクリニックに出向いた。その際、医師から「今日施術しないと、子どもができづらくなる。広告の施術だと、手術痕が目立ったり、術後にひどい腫れ等が出るおそれがある」などと言われ、さまざまな美容形成治療のオプションを付加された契約を勧められた。

当日に契約するつもりはなく、家で考えたいと伝え、勧誘を断って帰ろうとしたが、過去に別のクリニックで治療した人の失敗例の写真を見せられ「写真のようにはなりたくないでしょ」「追加したオプションはすべて必要なもので、削ることはできない」「今日、手術をしないと後の事は知りませんから」などと不安をあおられ、即日施術を勧められた。

執拗な勧誘が続き頭が真っ白になり、手術承諾書にサインしその日のうちに手術をされた。頭金約10万円を当日支払い、残額は医療ローンで分割手数料約50万円を含んだ、合計約130万円を支払うことになった。クリニックに焦らされて、正常な判断ができないままに高額な契約をしてしまったので、施術代金を減額してほしい。

十分な説明なく薄毛治療されたケースも

相談2:薄毛治療で、カウンセラーから勧められるままに治療を決定したが、医師から十分な説明がなかった(20代男性)

インターネットで薄毛治療を検索し、毛髪再生医療を行うクリニックを予約した。当日、問診票を記入後、別室で医師ではない担当者からカウンセリングを受けた。

担当者は頭部をみて「月1回のペースで全6回注射する。後頭部も薄毛になりつつあるので治療面積が一番広いコースがよい。サプリメントや内服薬、頭皮用スプレーを併用しないと1年後に元に戻るかもしれない」などと言うので、勧められた1年分のサプリメント等と、治療費を合わせた約160万円のコースを申し込むことになった。

その後、医師の診察になったところ、頭皮をみられ「4回目くらいでよくなる。整髪料は使わないように」と言われただけで治療内容やリスクの説明はないまま、頭皮約30カ所に注射をして施術が終わった。術後は頭皮の出血、腫れがひどかった。

医師から施術やサプリメントについて十分な説明がなかったことなどに疑問を抱き、解約を申し出ると、「解約には応じるが、サプリメント等は返品できない。解約してもサプリメント等の代金60万円と1回分の施術代金15万円の75万円を支払ってもらう」と言われた。納得できない。

――こうした相談事例を受けて、国民生活センターは問題点を指摘している。

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