「人事に嫌われた社員」が昇給・出世と無縁な訳 あなたの悪口は人事にすべて筒抜けだ
人事担当者や人事部門に対して、「細かいことにうるさい」「面倒くさい」「うさんくさい」「秘密を握ってそうで怖い」「何をしているのかわからない」といったイメージを持っている人は多いと思います(本当はそうとは限らないのですが……)。
しかし、たとえそう思っていたとしても、人事とはうまく付き合ったほうがいいでしょう。媚びを売る必要なんてありませんが、少なくとも「敵」に回すことだけは避けるべきです。なぜなら、人事を敵に回しても何もいいことはないからです。
例えば、重要なポジションが空いて、誰かを抜擢する際には、人事がリストをつくります。その際に、たとえ営業成績はトップでも「協調性を欠く」「就業規則を守らない」「部下の育成を行わない」といった社員は、人事では「問題社員」と見なして、リストから外すことがあります。
また、人事は経営に非常に近いポジションにいるため、経営者や役員から「アイツはどうだ?」「コイツはどうなんだ?」と意見を求められる機会が多く、人事の発言は、社員の評価、給与、昇進・降格などに大きく影響します。
そんな人事を敵に回してしまったら、あなたの将来は閉ざされてしまいます。
人事の発言は、あなたの評価に大きく影響する
人事は、採用、配置、登用、昇降格、評価、育成、給与、厚生、労務など、非常に幅広い領域を扱っている部門です。だからこそ「何をしているのかわからない」といった印象を持たれてしまうのでしょう。
ただ、ひと言でいえば、人事とは「人」のことを考えている部門です。
営業や企画が「商品・サービス」について考えているように、経理が「お金」、法務が「法律」について考えているように、人事担当者は「人」のことだけを考えています。
一例を挙げれば、人事は直接、社員の評価はしません。しかし、評価制度を整えたり、適切な評価が行われるように、評価会議を司ったりはしています。なぜなら、評価を通じて「人」を育てることが人事の重要なミッションだからです。
例えば、管理職の中には「部下の何をどう評価したらいいんだろう?」と頭を悩ませている人が多く、甘い評価をつける人もいれば、辛い評価をつける人もいます。そのため、管理職によって部下の評価にはバラつきがあります。