「影の銀行」6社に新たなデフォルト懸念 中国の信託会社、石炭会社向け融資で
[上海 14日 ロイター] -中国の「影の銀行(シャドーバンキング)」取引のデフォルト危機で注目される経営難の石炭会社、山西聯盛能源に対し、国内の信託会社6社が総額50億元(8億2460万ドル)以上を融資していたことが分かり、新たなデフォルト懸念が浮上している。中国証券報が14日、匿名筋の話として伝えた。
上海証券報は今週、吉林省信託が組成し、中国建設銀行(CCB)<601939.SS><0939.HK>が販売した高利回り投資商品の返済が滞ったと報道。この商品は山西聯盛能源への融資を裏付けとしていた。
長安国際信託のウェブサイトによると、同社は昨年3月、山西聯盛能源の系列会社に関連した投資商品12億元相当を販売。この商品は数週間以内に償還期限を迎えるという。同社の広報担当者からのコメントは得られていない。
中国証券報は、山西聯盛能源に融資した他の信託会社5社の名前は挙げていない。
山西省の裁判所は昨年、山西聯盛能源のあらゆる債務の残高は300億元にのぼり、同社が債務再編を申請したと明らかにしていた。
これとは別に、21世紀経済報道は14日、山西聯盛能源への融資を裏付けとした高利回り投資商品の投資家が、吉林省信託だけでなく、商品を代理販売したCCBにも返済を求めていると伝えた。同紙によると、投資家は吉林省信託の投資商品を購入するための書類や送金の手続きはすべてCCBで行われた上、CCBの販売員は商品にリスクはないと説明したと主張。一方、山西省のCCB幹部はこの問題の責任は同行にないとあらためて表明した。
CCBはコメントの求めに応じていない。
中国証券報によると、山西省の当局者は、信託会社や商業銀行を含めた山西聯盛能源の債権者とともに債務再編の調整に奔走している。調整がうまくいけば、信託商品の投資家への支払いが最終的に実現する可能性がある。
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