10分100円。「コインスペース」は流行るか 新業態コインスペースが、スタバの客を奪う日

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店内を区切って、全目的の客を取り込む

「コインスペース」は、デジサーフが東京・渋谷の東急プラザに2月11日にオープンした2階建ての多目的スペース。10分100円で利用することができ、スペースには約300の席。会議室、おむつ替えルーム、授乳室、子どもが遊べる玩具や転んでも痛くないよう床が整備されたキッズスペースなどに分かれている。自販機のソフトドリンクは飲み放題で、Wi-Fiも完備、携帯の充電器や充電用電源、iPadや雑誌の貸し出しも行っており、喫煙席も104席用意されている。

同社はこのスペースを「サードプレイス」の新たな業態と謳っているが、これまでのスペースと異なるのは、店内のスペースを客の目的ごとに区切っている点だ。ただそれだけなのだが、サードプレイス作りにおいてはこれが非常に重要だと思う。例えば、一人で静かに過ごしたいひとの隣の席に、忙しそうに仕事をするビジネスマンがいては落ち着かないし、悩みの相談や世間話で盛り上がりたいグループなんてもってのほかだ。

運営者にとっては、様々なニーズを持つ客を取り込むことにもつながる。分煙が進む渋谷で肩身の狭い思いをしている喫煙者がタバコを吸いにきたり、電源のないスタバや暗いネットカフェが不便なビジネスマンが仕事をしにきたり、ママがトイレではない清潔な空間でゆっくりと子どもの世話をしにきたり、目の前のバス停に次のバスが来るまでの時間を潰しにきたりと。音響機材もそろっているので、イベントやセミナー、座談会などにも使えそうだ。

デジサーフの担当者によれば、準備中のウェブサイトからスペースの利用状況をリアルタイムで確認し予約できることもウリとのこと。スマホやタブレットで事前に確認すれば、受付で待たされることがない。オープン初日の客足は今ひとつだったというが、平日は一日1500名、週末は3000名の来店を見込んでいる。今後知名度が上がり、定着、拡大していくか。注目したい。

岡 徳之 ライター Noriyuki Oka Tokyo 代表取締役

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おか のりゆき

1986 年長崎県出身。慶應義塾大学経済学部卒業後、PR 会社ビルコムで2 年4 ヶ月勤務。2011 年8 月に企業PR・ウェブ企画開発・編集ライティングを専門分野として開業。現在はシンガポールを拠点に事業運営に携わる。国内大手企業のウェブプロモーション業務に従事する傍ら、CNET Japan やITmedia など国内の有力ニュースサイトを中心に10 数媒体で執筆を担当。ライターとしての専門領域はIT・ビジネス・マーケティング・クリエイティブ・ライフ・グルメ・人物インタビューなど多岐に渡る。事業会社が運営する自社メディアでの編集ライティング案件にも携わる。異なる専門領域を持つフリーライターと連係し、編集プロダクション的機能も果たす。

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