1月米雇用統計、雇用者数は11.3万人増 失業率は2008年10月以来の6.6%に低下
[ワシントン 7日 ロイター] -米労働省が7日発表した1月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比11万3000人増にとどまり、伸びは市場予想の18万5000人増を大きく下回った。失業率は5年ぶりの水準となる6.6%に低下したものの、景気の失速を示唆する内容となった。
建設業の雇用者数は大きく回復しており、天候が主な押し下げ要因ではなさそうだ。
ウエスタン・ユニオン・ビジネス・ソリューションズのシニア市場アナリスト、ジョー・マニンボ氏は「改善はしたが、伸びはかなり低水準で、米経済が減速しているとの懸念が増す」と指摘した。
12月分は7万5000人増で、上方修正分は1000人増にとどまった。2カ月間の雇用者数の伸びとしては、3年ぶりの低水準となった。
雇用者数の伸びが2カ月連続で低い水準にとどまったことで、量的緩和の縮小を進める米連邦準備理事会(FRB)にとっては頭の痛い問題となる可能性がある。
昨年下期の成長率は年率3.7%と力強い伸びを記録しており、持続的な成長へ移りつつあるとの期待が高まっていた。だが今週3日に発表された1月の供給管理協会(ISM)製造業景気指数が8カ月ぶりの低水準となったほか、1月の自動車販売も振るわず、米景気への楽観論は試される局面にある。
失業率は2008年10月以来の水準となる6.6%に低下した。市場は変わらずの6.7%を見込んでいた。
失業率データの基になる家計調査では、雇用が大きく増加した。
また労働参加率も12月の62.8%から63%に上昇し、明るい材料を提供した。労働参加率は昨年10月と12月におよそ35年ぶりの低水準をつけていた。
レノックス・ウェルス・アドバイザーズのデービッド・カーター最高投資責任者(CIO)は「雇用市場は改善しているが、ペースは緩慢だろう」と指摘。「雇用市場の悪化が今後も続くようなら、FRBは緩和縮小ペースを緩める公算が大きい」と述べた。
失業率は、FRBが利上げ検討の目安としている6.5%の数値基準目前に迫っている。だがFRB当局者は失業率が基準に達しても、当面は利上げはないと明言している。
内訳は、民間部門の雇用者数が14万2000人増加。政府部門は2万9000人減と、2012年10月以来の大幅な減少を記録した。
製造業は2万1000人増え、6カ月連続の増加となった。
小売りは1万2900人減り、3月以来初めて減少した。
半面、建設は4万8000人増に大きく回復し、伸びは2007年3月以来の大きさとなった。12月は悪天候で2万2000人減少していた。
時間当たり賃金は24.21ドルと、前月の24.16ドルから0.05ドル増加した。
平均週間労働時間は34.4時間で横ばいだった。
今回の統計では、雇用者数と週労働時間、平均時給データが2009年にさかのぼって修正された。改定により、2013年3月までの1年間の雇用者数の伸び(季節調整済み)は、当初発表を36万9000人上回った。
また今回の統計では、新たな人口推計が加味されている。
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