フォード、中国販売でトヨタとホンダ追い抜く トヨタは挽回できるのか

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米フォード・モーターが発表した2013年の中国販売台数(合弁含む)は前年比49%増の93万5813台と、トヨタ自動車とホンダを追い抜いた。写真は2012年4月、中国・重慶市のフォード工場で撮影(2014年 ロイター)

[北京 6日 ロイター] -米自動車大手フォード・モーターが発表した2013年の中国販売台数(合弁含む)は前年比49%増の93万5813台となり、トヨタ自動車<7203.T>とホンダ<7267.T>を追い抜いた。

フォードは過去10年間、ほぼ一貫して日本の自動車大手の後塵を拝してきたが、2013年は製品ラインアップを充実させたことが奏功したほか、尖閣諸島(中国名・釣魚島)をめぐる日中対立もフォードの販売には追い風となった。

一方、米ゼネラル・モーターズ(GM)と独フォルクスワーゲン(VW)の昨年の中国販売はいずれも300万台以上となることが見込まれており、フォードは引き続き大きく後れを取っていることになる。

トヨタは現地合弁2社の分も合わせた中国での販売台数が、昨年は前年比9.2%増の約91万7500台になったと発表。ホンダは同26.4%増の75万6882台だった。

業界関係者や専門家は、製品ラインアップの拡充がフォードの販売を押し上げたと指摘。2012年終盤以降、複数の小型SUV(スポーツ用多目的車)に加え、新型「フォーカス」を投入。中国向けの新型「モンデオ」もラインアップに加わった。

2012年秋以降の日本勢による販売不振もフォードにとっては追い風だった。尖閣諸島問題に伴う日中対立で2012年は日本製品の不買運動が広がり、日本の自動車メーカーの中国販売が低迷した。

2013年を通じて、トヨタや他の日本メーカーの販売は回復したものの、日中関係はいつ緊迫化してもおかしくない状況だ。

トヨタの今年の目標は110万台超

中国での販促を担当するトヨタ幹部は、新たな主力車種で尖閣諸島問題での日中対立に伴う販売の落ち込み分の大半を取り戻すことができたと指摘した。

トヨタは今年の中国販売台数目標を110万台以上に設定している。

トヨタや他の日本メーカーにとって、フォードの中国販売急増は重しとなってくることが考えられる。

中国での販売台数でフォードはトヨタとホンダを追い抜いたが、上位3位入りするにはまだほど遠い。GMやVWに大きく後れを取っているだけでなく、日産自動車<7201.T>や韓国の現代自動車<005380.KS>に追い付くまでの道のりも長い。

調査会社LMCオートモーティブは、VWの2013年の中国販売台数を約320万台と予測。2012年は280万台だった。昨年のGMの販売台数も300万台超となる見込み。

日産の昨年の販売台数目標は125万台。またLMCオートモーティブによると、現代自の昨年の中国販売は164万台に達したもようだ。

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