『せっかくのキャリアが、ローテーションで台無しに・・・』(38歳男性) 城繁幸の非エリートキャリア相談

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処方箋:『社内での解決を優先すべき』

 貴殿の場合、自分の専門分野で、それもプレイヤーとして働きたいという希望があるものと思われます。この問題がどうにも社内では解決できないという場合、転職という選択肢も検討すべきかもしれません。

 ただ、年齢的にみて、なかなかキャリアアップとしての転職は難しいはずです。たとえキャリアが評価されたとしても、おそらくはマネージャーとしての採用を考える企業が多いでしょうから、あなたの動機とは矛盾するでしょう。

 個人的には、よほど条件にマッチした求人、つまりプレイヤーとしてのキャリアパスを保証している企業の求人でも見つからない限り、転職は解決にはつながらないと考えます。

 そこで、まずはご自身の希望を上司にきっちり伝えてみてください。貴重な戦力なのですから、会社としてもまんざら悪い話ではないはずです。

 最後に一つ。よく「職務給になると、給与が下がるリスクがあるからイヤだ」という人がいます。担当する業務によって賞与なり年俸なりが上下するわけですから、場合によっては下がるケースもありえるためです。

 じゃあ、年功序列で全員がハッピーになれるかというと、全然そんなことはないんですね。個人にやりたくもない業務をやらせ、名プレイヤーをどんどんマネージャーに引き抜くことで、組織秩序を維持しているわけですから。

 人間には本来、色々な個性があり、様々な能力を発揮したいという欲求があるはずです。それらを満たせる多様性を持った人事制度こそ、新たな成長企業の柱となるはずであり、その一つの形が職務給制度だと言えるでしょう。

 プレイヤーとしてもっと報われたい人、ある分野のスペシャリストになりたい人にとって、職務給はむしろ歓迎すべきものであるはずです。

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