個人の買い意欲旺盛、上昇はいつまで続く? 日経平均8日続伸、連日の年初来高値更新
[東京 27日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は、小幅ながら8日続伸。連日で年初来高値を更新した。米国株高や円安など良好な外部環境を背景に買いが先行。一時1万6200円台に乗せた。
為替市場でドル/円が節目の105円を付けると、先物にまとまった利益確定売りが出て下げに転じたが、投資家の先高期待は強かった。利益確定売りをこなし大引けにかけて再度プラスに転じた。TOPIXは終日堅調で、5月23日に付けた取引時間中の年初来高値を更新。終値でも連日で年初来高値を更新した。
日経平均は前日までの7営業日で約1021円、率にして6.7%上昇し、高値警戒感が出ていた。先物売りが裁定解消売りを誘い、指数寄与度の大きいファーストリテイリング<9983.T>、ファナック<6954.T>などの下げが目立つ。だが、市場参加者の先高期待は強く、中小型株など幅広い銘柄に買いが入った。2014年の世界景気に対する楽観的な見方や、当面は金融緩和環境が継続するとの安心感が支えとなった。
利益確定売りをこなし東証1部の売買代金は2.2兆円と膨らんだ。東証1部値上がり銘柄数は1515で、全体の約85%が上昇した。市場では「NT倍率を修正する動きがみられ、TOPIXの方が相場の実態を表している。個人の押し目買い意欲が強く、チャート上の二段上げは来年初まで続きそうだ。リスク要因は安倍首相の靖国参拝により日本対中国、韓国の関係が想定以上に悪化することだろう」(岡三オンライン証券チーフストラテジストの伊藤嘉洋氏)との声が出ていた。
個別銘柄では、武田薬品工業<4502.T>が大幅安。同社は27日朝、2型糖尿病治療薬「TAK─875」の開発を中止すると発表した。期待の新薬とみられていたことから失望売りが広がった。2014年2月期第3四半期(2月21日―11月20日)の減益決算でしまむら<8227.T>も軟調。半面、J.フロント リテイリング<3086.T>はしっかり。26日発表した2013年3―11月期の連結営業利益が前年同期比63.3%増の252億円と好調だったことを好感した。
東証1部騰落数は、値上がり1515銘柄に対し、値下がりが201銘柄、変わらずが60銘柄だった。
日経平均<.N225>
終値 16178.94 +4.50
寄り付き 16229.43
安値/高値 16056.73─16232.69
TOPIX<.TOPX>
終値 1290.07 +10.73
寄り付き 1284.9
安値/高値 1275.85─1290.35
東証出来高(万株) 264990
東証売買代金(億円) 22190.71
(河口浩一)
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら