非農業雇用者数は前月比20.3万人増 11月の米雇用統計、市場予測を上回る
[ワシントン 6日 ロイター] -労働省が6日発表した11月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比20万3000人増と、市場予想の18万人増を上回る伸びとなった。失業率は7%に低下し、2008年11月以来5年ぶりの水準に改善した。市場予想は7.2%だった。
予想を上回る堅調な結果となったことを受け、米連邦準備理事会(FRB)がこれまでに想定されていた時期よりも早く、緩和縮小に着手する可能性が高まった。
統計の内訳も全般的に力強い内容となった。
雇用者の増加は幅広い業種で確認されたほか、時間当たり賃金が上昇、平均週間労働時間も増加した。
また、10月に35年半ぶりの水準に落ち込んでいた労働参加率が改善したにもかかわらず、失業率は改善した。
9、10月の雇用者増加数は、当初発表分から8000人上昇修正された。
イートン・バンス・インベストメント・マネジャーズのポートフォリオ・マネジャー、エリック・スタイン氏は「米雇用市場は依然、回復したと言うには程遠いが、正しい方向に向かっていることは確かだ」と指摘した。
雇用統計を受け、FRBが早ければ今月17─18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で資産買い入れプログラムの縮小に踏み切るとの観測が強まり、米株価が反発して寄り付いたほか、ドルは対円・ユーロで上昇した。
ただ、エコノミストの間では、縮小が1月もしくは3月まで見送られる公算が大きいとみる向きが依然大勢となっている。
前出のスタイン氏は「今回の統計を受け、12月に緩和縮小開始が検討されることになるだろうが、それが確実というわけではない」と述べた。
ウインドヘイブン・インベストメント・マネジメントのスティーブン・クッキアロ最高投資責任者(CIO)は、緩和縮小について「今月17─18日のFOMCにも決定される可能性がある」としつつも、「FRBはインフレ期待の低下、および議会での財政協議の行方をめぐる不透明感を理由に、緩和縮小の開始を見送る可能性もある」と述べた。
バンク・オブ・ニューヨーク(BNY)メロンの首席通貨ストラテジスト、マイケル・ウールフォーク氏は「非農業者部門雇用者数は、FRBが12月に緩和縮小に踏み切るにはおそらく不十分だ。われわれは早くて3月との予想を変えていない」とした。
11月は、民間部門の雇用者が19万6000人増。政府部門は、州・地方政府での雇用増が連邦政府の減少を補い、7000人増となった。
製造業は4カ月連続で増加し、2万7000人増。
建設も1万7000人増。住宅市場の回復が緩慢なペースとなっているものの、増加基調を維持した。
半面、小売は2万2300人増と、10月の4万5800人増から減速した。今年は感謝祭の祝日が暦上遅かったことから、年末商戦に向けた季節的な雇用の全容が今回の統計に反映されていない可能性がある。
レジャー・接客、専門職なども、前月から伸びが鈍化した。
時間当たり賃金は24.15ドルと、前月から0.04ドル増加。平均週間労働時間も前月の34.4時間から34.5時間に延びた。
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