マツダが海外減速で今期予想を減額、米フォードとの関係は「不変」

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マツダが海外減速で今期予想を減額、米フォードとの関係は「不変」

マツダは30日、08年4~9月期を発表し、合わせて今2009年3月期通期予想を減額した。都内で会見した井巻久一マツダ社長は、減額の理由を「原材料価格の想定以上の高騰に加え、グローバル販売環境の悪化」と説明した。海外販売担当のダニエル・ティー・モリス取締役は、関連して「米国の自動車総需要は通期では17%減と、上期の15%減からさらに悪化する見通し。欧州(ロシア含む)は上期2%減だったが、やはりこれも8%減となるだろう」とコメントした。

今期売上高は3兆円の予想を据え置いたものの、営業利益は当初の計画を21.7%下回る900億円に下方修正した。また、通期の新車販売計画を140.5万台へ7.5万台下方修正した。地域別(通期)でみると国内で1万台、北米で0.4万台、中国で5万台、その他地域で2.1万台それぞれ下振れさせることになる。なお、欧州に関しては好調なロシアでの販売見通しを7.7万台から9.5万台へ引き上げたことによって、逆に1万台上方修正した。

為替レートは、通期で1ドル103円、1ユーロ152円を想定しているが、為替予約は、ほぼ終了しており「今後の為替の影響は、ほぼない」(井巻社長)と強調した。

合わせて、井巻社長は「在庫水準適正化のため」(同)、下期以降の国内における7.3万台の減産を発表した。通期では期初見通しより4.8万台の減産となり、国内生産規模は104.84万台となる。ただ、実施工場や機種、従業員の雇用に関しては「詳細に検討している最中」と明言を避けた。

なお、米フォード・モーターのマツダ株売却報道に関して井巻社長は「いずれも当社が公表したものではなく、開示すべき具体的な事実はない。(GM、クライスラーが合併した場合でも、フォードとの関係に)変わりはない。どこからがマツダで、どこからがフォードか分からないくらい、入り組んだ関係だ」と述べるにとどまった。

《東洋経済・最新業績予想》
 (百万円)    売 上  営業利益   経常利益  当期利益
連本2008.03    3,475,789    162,147    148,461     91,835
連本2009.03予   3,000,000     90,000     90,000     50,000
連本2010.03予   3,050,000     90,000     90,000     55,000
連中2008.09    1,575,542     60,731     48,543     29,533
連中2009.09予   1,600,000     62,000     52,000     30,000
-----------------------------------------------------------
          1株益\    1株配\
連本2008.03         65.2          6 
連本2009.03予        35.5          6 
連本2010.03予        39.1          6 
連中2008.09         21.0          3 
連中2009.09予        21.3          3 
高橋 由里 東洋経済 記者

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たかはし ゆり / Yuri Takahashi

早稲田大学政治経済学部卒業後、東洋経済新報社に入社。自動車、航空、医薬品業界などを担当しながら、主に『週刊東洋経済』編集部でさまざまなテーマの特集を作ってきた。2014年~2016年まで『週刊東洋経済』編集長。現在は出版局で書籍の編集を行っている。

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