残念な営業ほど「商品の提案数が少ない」理由 選択肢は2つ以上ないと顧客は納得しない

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2 金額は、条件を変えて3段階で

営業マンが売りたい商品を、お客さまに「高い」と思わせないためには、先述のように、売りたい商品を「高いもの」「安いもの」で挟みます。条件を変えて、3つの値段を用意するのです。1つの値段しかないと、「高い」と思われてしまい、商談が進まないことがあるからです。

これは、私がパソコンメーカーでIT業界向けにパソコンを販売していた頃の話です。商品の性能が高い、低いで値段は違うのですが、他にも下記のように工夫をしていました。

1つ目は、サポート内容で差をつけることです。サポートの内容を3段階に分けて値段を提示していました。

2つ目は、保証期間で差をつけることです。通常の保証期間が1年ならば、それよりも長い3年保証、それよりも短い6カ月保証の値段を設定し、1年保証を間に挟むことで、スムーズに販売できました。家電量販店で購入する家電製品は、通常1年保証ですが、法人向けに販売するときは、保証期間が短いタイプの問い合わせもありました。

3つ目は、販売数量をロット単位で考えて販売価格を変える方法です。ここでも3つのバリエーションを用意します。私は、通常1台単位での販売価格のところ、10台単位と、3台単位の3段階の価格を設定して提案したところ、真ん中の3台単位の方が売れるようになりました。

最初は少し高めの価格を提示しよう

3 高めの金額を提示してから、売りたい価格を提示する

営業マンがいきなり売りたい価格を提示すると、お客さまは安くしてほしいと感じてしまうものです。最初は、少し高めの価格を提示して、高めの価格を意識させてから、値切りに応じる、もしくは、正規の値段を出すなどの工夫が必要です。

近年では、最初から「ずばりの値段を提示」する営業マンも増えてきました。ですが、お客さまによっては、まだまだこの方法は必要です。

私が、AV情報メーカーに電子部品を納入していたときの話です。購買担当者から、毎回、提示した価格を下げるように言われるため、事前に、1個200円まで下げてもよいとの許可を上司にもらったうえで、まずは、250円で値段提示をしました。お客さまも同業他社の類似品から相場を計算していたようで、高いと感じ、値段を下げるように要求がありました。そこで、何度かの値段交渉の末、210円で落ち着かせたのです。これが、最初から200円の値段を提示していたら、180円くらいになってしまっていたでしょう。数量が100万個単位のため、10円でも大変な金額です。

お客さまの購買担当者は、値段を下げるのが仕事です。1回の値段提示で決まらない場合、高めの金額を提示してから、売りたい価格を提示する方が得策です。

このように、「コントラスト効果」を利用することで、交渉の工夫をすることができます。「対比するものを複数提示すること」「売りたい商品は3段階の真ん中に挟むこと」「高めの値段を見せてから下げること」で、売りたい商品が売れるようになるのです。

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アルファポリスビジネス編集部

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