残念な営業ほど「商品の提案数が少ない」理由 選択肢は2つ以上ないと顧客は納得しない

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もう1つ例を紹介します。仕事で着るスーツを買いに行ったとき、スーツだけを買うはずが、ネクタイ、ベルト、シャツなどいろいろなものを、ついでに買ってしまったことはないでしょうか。例えば、3万~4万円のスーツを購入したとします。そうすると、5000円のシャツやベルトなどが、安く感じてしまうことによって、お得に思って購入してしまうのです。

複数のモノやサービスが対比されていると、その中で一番低価格なものを「安い」と感じたり、高額な商品を見た後に、それより安い商品を見たとき、その商品を価値以上に安いと感じてしまう心理的効果が、まさに「コントラスト効果」なのです。

では、これを実際に、どのようにして営業活動に取り入れていけばよいのでしょうか?

比較対象は複数用意する

売りたい商品やサービスを強調するために、候補はたくさん用意することが基本となります。必ず、お客さまに提示するときは、比較対象を作るのです。

商品企画案を提案するとき、お客さまに商品を販売するときなど、1つだけで比較対象がない状態ではなく、複数案提示することにより、複数の中から選んでもらうことができるようになります。特に、売りたい商品を、「より高いもの」「より安いもの」で挟むことで、真ん中の商品がより強調されるようになります。

私の経験した営業活動で「コントラスト効果」をうまく活用できた方法をお伝えします。

1 提示する案は、2つ以上

お客さまに提案する案が1つでは、「YES」「NO」、すなわち、「いる」「いらない」の議論になってしまいます。すぐに断られることを避けるために、2つ以上の選択肢を用意する必要があります。

私が営業マン時代、自動車部品メーカーに商品の企画案を持って訪問していました。最初の頃は、ヒアリングした内容をもとに、お客さまに気に入ってもらえそうな企画案を1つだけ提示していたのですが、「採用できない!」と突き返されることが増えてきました。

そこで、少し角度を変えた企画案を2つ、3つ同時に持参するようにしたのです。そうしたら、その場で断られることはなくなり、「A案よりB案の方がいい」「B案にC案の要素を取り入れて、再度、提案してほしい」などと言われることが増え、商談が前に進むようになったのです。

このように、お客さまに提示する案は、常に2つ以上、できれば、3つ用意したいものです。

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