東急の渋谷再開発、成否のカギは「回遊性」だ 東横線跡の新施設は「訪れたい場所」になるか

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この「Greater SHIBUYA」では、駅周辺の再開発で高層ビルを建設しオフィス床面積を生み出すだけではなく、渋谷のまち全体を「働く・遊ぶ・暮らす」が融合する「ALL IN ONEの街」として印象づけ、「世界のSHIBUYA」としてブランディングしたいという東急グループの思惑がある。

この範囲内には東急不動産の保有する建物が集中している。代官山に「TENOHA代官山」、原宿には「東急プラザ表参道原宿」といった商業施設があり、青山や恵比寿、そして渋谷駅の西側にはオフィスビルを多数持つ。再開発も行っており、大きなものとして「道玄坂一丁目駅前地区」事業、「南平台プロジェクト」「渋谷駅桜丘口地区」と3つの事業を行っている。

渋谷川を軸に回遊性を向上

そういった背景を考えると、この「Greater SHIBUYA」のエリア設定には東急電鉄本体はもちろんのこと、東急不動産の持つ保有不動産価値向上という側面も強そうだ。こうした「面」での開発を進め、「Greater SHIBUYA」を実現させるためには、回遊性の向上がいわば最重要課題となる。そこで、まずは渋谷川を軸にしたルートを育てていくことになる。

渋谷駅周辺の開発計画。「渋谷キャスト」は宮下公園の東側にある凸型の建物だ(図:東京急行電鉄株式会社提供)

渋谷ストリームの開業により、先に述べた渋谷ブリッジとの間の回遊ルートとは別に、渋谷川のルートを北方向になぞる1本の回遊ルートが一足先に誕生する。昨年完成した再開発ビル「渋谷キャスト」を経由した原宿方面への南北軸だ。

渋谷キャストもオフィスを中心としたビルで、コワーキングスペースや居住空間が入り「クリエイターがより創造的なライフスタイルを実現できる」というコンセプトを持った複合施設だ。商業スペースにはおしゃれなカフェやアパレルショップが入り、昼時には「キッチンカー」がやってきて楽しげな都市空間が形成されている。

この渋谷キャストの前にある交差点の地下には、南側の渋谷駅や渋谷ストリーム、さらには渋谷ブリッジへと流れてゆく暗渠(あんきょ)の渋谷川がある。その交差点から渋谷川の暗渠を北側へさかのぼる形で、川の直上に設けられた車道と遊歩道が原宿方面へ延びる。その先には原宿キャットストリートがあり、さまざまなジャンルのブランドショップがある人気のエリアへとつながる。

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