「銀行破綻処理制度、15年までの導入を」 ドラギECB総裁、ユーロ圏共通銀行制度で言及
[フランクフルト 23日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は23日、ユーロ圏共通の銀行破綻処理制度は銀行同盟にとって欠かせない要素であり、2015年までに導入することが望ましいとの考えを示した。
ロイターとのインタビューで語った。
ECBは、共通安全網が整わないまま欧州銀行同盟の下でユーロ圏の銀行を一元的に監督することになるとの懸念から、経営難に陥った銀行の救済または清算を行う強力な単一破綻処理メカニズム(SRM)で合意するよう各国政府に求めてきた。
しかし、銀行同盟の第2段階となるこの枠組みをめぐっては、公的資金をどこまで投入すべきか政府当局者間で合意が得られていない。第3段階となる単一の預金保険制度に関しては、取り組みが完全に停止している。
ドラギ総裁はロイター・テレビのインタビューで「ECBは破たん処理の枠組みが欧州銀行同盟の極めて重要な柱だと考えている」と述べ、「2015年までの導入を引き続き目指して行く」と言明した。
ECBはこの日、ユーロ圏の主要銀行128行に対し2014年に健全性審査を実施する方針を発表。銀行監督の責務を担い始めてからマイナスの材料が出てくることがないよう、厳しく審査したい考え。
また、これまでに2回の銀行健全性審査が実施されたものの、アイルランドとスペインで発生した銀行危機の芽を摘み取ることはできなかったとの反省もある。
ドラギ総裁は同審査について、「ECBは完全な責任を持って審査を行うが、その後に実施する必要のある措置には関与しない。これは銀行破綻処理機関の責務となる」と述べた。
単一破綻処理メカニズムが予定通りに2014年11月に稼動開始しなかった場合、ECBの下での銀行監督一元化の開始も遅延させるかとの質問に対しては、「そうしたことは絶対にない」と言明。
「ECBは2014年に銀行の資産価値を見直し、バランスシートを審査し、健全性審査を実施する。同年10月には結果を公表し、銀行監督の新たな役割を担い始める」とし、「ユーロ加盟国が単一破綻処理メカニズムの本質についてそれまでに合意するよう望んでいる」と述べた。
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