熱狂が冷めてしまったビットコインの末路 大手参入で成熟に向かうか

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2017年にビットコイン相場が急上昇する原動力となった小口個人投資家は、政府による取引制限措置によって排除され、代わりに仮想通貨ファンド、個人富裕層、既存の金融機関が取引の主役に躍り出た。

大口投資家が大口取引を行う可能性もあるが、そうした取引は、相対取引(OTC)やマッチング・プラットフォームのスクリーンの陰でその姿が見えにくくなってしまう場合が多い。

また大口投資家は、ビットコイン価格の急変動を追いかける可能性も低い。彼らはむしろ、実績には乏しいが有望なブロックチェーン技術の潜在的可能性に興味を引かれているからだ。

仮想通貨分析ウェブサイト、クリプトコンペアがまとめたデータによれば、主要仮想通貨取引所における1日当たりの平均取引高は、昨年12月に約170億ドル(約1兆8700億円)だったのに対し、3月には91億ドル、4月前半には74億ドルにまで減少している。

ビットフィネックス、ポロニエックス、コインベース、ビットスタンプを含む仮想通貨取引所で、1日当たり取引量が12月から3月にかけて半分以下に減少したことが、このデータで明らかになった。

クリプトコンペアによれば、仮想通貨の取引高は12月22日に過去最高となる300億ドルに達した。だが、4月8日の取引量は46億ドルにまで減少し、昨年10月以来最低水準を記録した。

市場再編

DRWホールディングス傘下のカンバーランドや、ゴールドマン・サックスが支援するサークルに加え、オレゴン・ストラテジーやクラーケンなどの名を冠した新たなOTC取引所や取引プラットフォームが登場したことで、大口機関投資家の参入を促し、ビットコイン相場の変動は抑えられ、流動性が高まるという考え方が勢いを増している。

キャメロンとタイラーのウィンクルボス兄弟が運営する仮想通貨取引所ジェミニが新たに導入したブロック取引では、注文が約定するまで他のトレーダーには分からないように大口取引を行うことができる。

ブロック取引最大手の1つ、カンバーランドは、35カ国以上に取引相手を持ち、約35種類の仮想通貨資産について売値と買値の双方(ツーウェイプライス)を提示している。

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