eスポーツ上位選手がプロを目指さない理由 スマブラプレーヤー「あばだんご」氏を直撃

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――やはり大会に参加することが重要なのでしょうか。

河村:eスポーツと呼ばれる以前からやっているゲーム大会って、メーカーや運営会社が企画したものもあるのですが、ファンのコミュニティやゲームセンターなどが主催することも多いんです。僕がやっている『スマブラ』も、インターネットの掲示板とかでスレを立てて、『スマブラ』好きが集まって大会になっています。

河村裕太(あばだんご)/スマブラ国内屈指のプレーヤー。EVO(Evolution Championship Series)をはじめとした世界大会において上位入賞経験多数。PGR(Panda Global Rankings)の世界ランキングでは3シーズン連続でトップ10入りを果たす。現在15位。使用キャラクターはミュウツーとベヨネッタ(筆者撮影)

最初は対戦者募集みたいな感じで。それからレンタルSNSを借りて、専用のコミュニティができた感じです。これはWiiの『スマブラX』の頃の話ですね。Wii Uの『スマブラfor Wii U』が出た頃には、そのSNSのサービスが終了してしまい、今はTwitterに移りました。

そういった感じで『スマブラ』好きの仲間が集まって、いつの間にかコミュニティとして発展し、大きめの大会を開催するようになった感じです。『スマブラX』のときは運営の手伝いをしていました。今は、Umekiさんという人が主催する「ウメブラ」が有名ですね。だいたい月イチで開催していて、196人のトーナメントはだいたい埋まってしまいます。数十人くらいのボランティアスタッフもいるくらいの規模です。

運営費がまかなえていない状態

――特に賞金がなくても月イチでそれだけの人数が集まるのですね。

河村:一応、参加費はとっているのですが、運営費としては毎回ではないもののほぼ赤字になり、トータルで考えると赤字です。赤字は運営や主催者が補填しています。自腹を切ってまで大会を続けているのは、本当に趣味を超えた趣味って感じです。先程言ったとおりスタッフもボランティアなので、せめてバイト代や弁当代くらいは出せればいいなと思います。

――それだけの大会だと観客から入場料をとれるのでは?

河村:一応、参加しない人は見学者として入場料1000円をいただいていますが、それでも運営費がまかなえていない状態です。観客を多く入れるために会場を大きくすると、今度はコストのほうが高くなってしまうんです。入場料を上げるというのもちょっとやりたくないですし。なので、賞金よりも運営費におカネが回るような感じにしたいですね。

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