シンガポール人が日本人より超金持ちの理由 老後資産の目標額は1億円以上が当たり前!
シンガポール人は、どうやって1億2000万円もの資金を捻出するのでしょうか。その方法の一つが、中央積立基金(CPF) という強制自動天引きシステムです。厚生年金のように、雇用主と労働者がともに資金を拠出します。55歳以下の労働者は収入の20%、雇用者は17%を拠出し、収入の1/3以上を積み立てる仕組みになっています。
CPFは医療費用、持ち家取得、老後生活に備えた強制貯蓄の役割を果たし、有事の際の備えとなっています。
CPFはよくできた制度で、複利を利用して最も効率的に貯蓄できるために、若い頃の拠出率が高いのです。これは持ち家率向上にも貢献し、シンガポールの持ち家率は9割程度にも及び、持ち家が老後の備えにもなっています。
ただ、若いときから収入の1/3を積み立てていれば、有事のおカネをすべてまかなえるかというとそうではありません。
「インフレに負けない」3%以上で運用する
シンガポールの知識層は、3段構えで備えている場合が多いのです。CPFで不足するおカネは、税金の優遇を受けながら退職金を積み立てられる銀行口座(SRSアカウント)や、投資型の保険に加入(所得控除あり)するなどをして、目標金額を目指します。投資型の保険の利回りは3%以上の場合が多く、24年程度で倍になる計算です。ただし、日本と違ってインフレ率が高いために、3%以上で運用しないと資産が目減りしていきます。「インフレに負けない」というキーワードをよく聞くのも、日本との違いでしょう。また、中華系のファミリーは子供に助けてもらうという思考が強く、「子供も年金」と言う人もいるほどです。
このように、公的年金の代わりに「3つの積み立て」「マイホーム」「子供」など、何重もの備えを作っています。また、共働き率が非常に高いので、現役時代から老後準備に多額のおカネが捻出できているのです。
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