明治「R-1」新妻さおりんCMが支持されたワケ 好感度ランキングTOP3は「三太郎」が独占

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CMを好きだと答えたモニターからは「CMなのにおめでとうと感じた」「見ているとほっこりする」「幸せそうな笑顔が好感を持てる」とその狙い通りのコメントが散見された。さらに、吉田本人に対して「本当に幸せになってほしい」などのエールが届くのは、彼女がアスリートとして今まで計り知れない努力を積み重ね、輝かしい実績を残し、リオ五輪での涙の敗戦を乗り越えて前を向いた姿を人々が見てきたからだろう。

「体調第一家族」シリーズは、“さおりん”のライフイベントを明るく描いて多くの視聴者の支持を得た。見る人がつい応援したくなる幸せオーラ全開の“霊長類最強妻”吉田沙保里の笑顔の伝播力は、やはり最強だ。

役所広司が歌とダンスで表現するのは、「AI」=「愛」

【11位~30位】

今回のCM好感度ランキングTOP30の中で、わずか17回という少ない放送回数で、効率良く多くの人の心をつかんだのが11位の大和ハウス工業「物流にAIを」篇だ。

ボーカルの役所広司が“Daiwa Boys”という名のバンドメンバーを引き連れてステップを踏みながら「♪Hey everybody,listen up(なあ、みんな 聞いてくれ)」と英語で歌い始める。字幕の歌詞は企業の具体的な取り組みには触れずに、「愛をローマ字にするとAIになるんだ」「大切なのは 愛なんだ」と気付くという内容。モニターからは「役所さんの歌がうまい」「音楽とダンスが楽しい」といったエンターテインメントの要素以外にも、「AI=愛」「物流にAIを」など、歌詞の中の重要なワードを多く記述している点に注目したい。

AI、IoT、ロボティクス、ビッグデータなど説明が難しいことを短いCMの中に詰め込むのではなく、夢に見ていた未来がすぐそこまで来ているという高揚感を歌で表現したのである。真面目に歌いながら踊るCMにどこかコミカルさが漂うのは、カントリー調の音楽と振り付け、そして役所広司の意外な(?)歌のうまさと演技力であろう。

スマートスピーカーを筆頭に、AIやIoTといったテクノロジーの進化を生活に取り入れた社会を描くCMが続々と誕生しているが、無機質で冷たい響きのあるテクノロジーの話を「大切なのは愛なんだ」とシャレてしまう大和ハウス工業の懐の深さが、視聴者の好感をとらえている。

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